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100円のコーラを1000円で売る方法[マーケティング編] (中経出版) 永井 孝尚

Book Summary
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理解度チェック

本サイトで紹介する本に関する理解度チェック問題になります。


問題を解きながら、本の概要を理解できるように、
問題以上に解説に力を入れておりますので、是非活用ください。

レビュー

読み終わった感想として、「100円のコーラ1000円で売れる。」と思いました。

冗談ではなく本当にそう思わせてくれる本でした。私みたいなマーケティングの初心者でも分かり易く説明されているので腹落ちさせられました。内容としては、セールスが得意だと思い込んでた女性が、上司にダメ出しを食らいまくって改善していくというストーリーになっています。軽い小説みたいな感じでスイスイ読めるので、堅苦しい感じが苦手な人にもおすすめです。

では、どのようにして100円のコーラを1000円で売るのか?ポイントは3つ

1.よそでやっていることをしない
これは他社がやっていないことをやることに意味があるということです。もっと端的に言えば、「他ができることは価値も低い」。例えば、自分がAと商品を取り扱っているとして、それがどこにも真似できないような商品ならその価値は非常に高いものとなります。しかし、それが簡単に真似できるような商品ならその価値は下がってしまいます。なぜなら、似たような商品が出回った時に最終的に行きつく先は価格競争です。

2.顧客満足を高める
[顧客満足=顧客が感じた価値ー事前期待値]
顧客満足度を導き出す方式が上記の方程式なのです。この方程式によると、顧客の要望を満たし、尚且つ、事前に予想していた内容よりもいいものを提供できたときに最も高い顧客満足が得られます。この最たる例が誕生日のサプライズです。 ちょっと想像してみてください。
パターンA:「誕生日にはこれあげるからね。」と言われていた当日のそのプレゼント
パターンB:「これ欲しいって言ってたよね?」と当日にサプライズでプレゼント
プレゼントが全く同じものであったとしても、おそらくほとんどの人がパターンBのほうが嬉しいと思うのではないでしょうか?これは、パターンBのほうが事前期待値が低いからなのです。

3.付加価値を付けろ
これが、この本の中で一番大事なことだと思います。要は、商品に付加価値を付けることで同じ商品でも価格が跳ね上がるということです。では、これをタイトルにもなっているコーラで考えるとどうなるか?コンビニや自動販売機で買えば100円のコーラも1000円で売れる場所は存在します。実際にリッツカールトンのルームサービスでは、1000円のコーラが提供されているそうです。しかし、もちろんただの缶のコーラではありません。飲みやすい温度に冷やされ、ライムと氷がついた最高においしい状態のコーラです。

●各章のポイント
1章:アメリカの鉄道会社はなぜ衰退したのか

事業の捉え方には、①製品志向と②市場志向の2種類がある。
製品思考:会社の事業は、〇〇という商品を売ること
市場志向:会社の事業は、お客様の生活を豊かにすること
事業をするなら、セールス目線だけでなく、全社的に長期的なビジョンを持たなければいけない。

2章:「お客さんの言いなりの商品」は売れない? 顧客のことを考えずに作った製品は売れない。自社本位な考え方はNGだが、顧客の要望をすべて叶えてもダメ。「顧客が気づいていない価値を提供すること」が重要。
3章:顧客の要望に100%答えても0点

顧客満足とは、顧客が感じた価値から事前期待値を引いたもの。
「顧客満足 = 顧客が感じた価値 - 事前期待値」
顧客満足度を高めるには、顧客自身が見つけていない価値を見つけること。

4章:値引きの作法

事業をするなら、価格競争をしてはいけない。価格競争をしても、市場のトップ企業が価格決定権を持っているため、体力勝負になると絶対に勝てない。レッドオーシャンに飛び込むのではなく、別の強みを見つけて戦うこと。

5章:キシリトールガムがヒットした理由

「バリュープロポジション=価値の提案」という考え方がある。バリュープロポジションとは、「顧客が望んでいて、競合他社が提供できない自社が提供できる価値を提案すること。」ほとんどの企業は、バリュープロポジション(価値の提案)ができていない。時間とコストをかけて、他社と同じことを一生懸命自社でもやろうとしている。他社と同じことをすると、結局は価格競争になってしまう。

6章:スキンケア商品を売り込まないエステサロン

ビジネスの結果とは、「顧客に価値を届けられた」という結果。顧客がすべきことを提案できたら、結果が出せたということ。

7章:商品を自社で売る必要はない

製品を作っても、自社で売る必要はない。営業や流通を他社に任せることもできる。自社の製品を他社に売ってもらう・流通させてもらうには、「他社が自社の製品を売るメリット」を定時すること。WinWinの関係を築くことが重要。

8章:100円のコーラを1000円で売る方法

製品の値引きは、短期的には製品が売れる要因になるが、長期的に見ると顧客は離れていく。値引きをするなら、値引きをされなかった顧客が納得できる理由が必要になる。顧客は値引きを求めるが、顧客の言いなりになることが、必ずしも正しいとは限らない。
製品の売り方は2種類。
①プロダクトセリング:顧客の値引きの要望に応えるために、徹底的にコスト削減を図る。
②バリューセリング:サービスなどで付加価値をつけることを徹底する。
どちらがいいかは製品にもよるので、使い分けが重要。

9章:なぜ省エネルックは失敗してクールビズは成功したのか?

物を売るためには、顧客へのアプローチに一貫性が必要になる。
<顧客へのアプローチのフローチャート>
①ターゲットを明確にする
②顧客へアプローチする目的を決定
③アプローチの方法を設計
④アプローチの手段を選択
⑤予算を設定する
⑥アプローチの手段の配分を決定する

10章:新商品は必ず売れない?

イノベーターとキャシズムがいる。新しいものが好きな人もいれば、皆が持っているものを買う人もいる。人によって、リスクを取れるか取れないかの基準が異なる。アプローチの仕方が正反対になるので、顧客のリスク許容度によって、臨機応変に対応する必要がある。

本書の目次

(1) アメリカの鉄道会社はなぜ衰退したのか?―事業の定義
(2) 「お客さんの言いなりの商品」は売れない?―顧客絶対主義の落とし穴
(3) 顧客の要望に100%応えても0点―顧客満足のメカニズム
(4) 値引きの作法―マーケットチャレンジャーとマーケットリーダーの戦略
(5) キシリトールガムがヒットした理由―バリュープロポジションとブルーオーシャン戦略
(6) スキンケア商品を売り込まないエステサロン―競争優位に立つためのポジショニング
(7) 商品を自社で売る必要はない―チャネル戦略とWin‐Winの実現
(8) 100円のコーラを1000円で売る方法―値引きの怖さとバリューセリング
(9) なぜ省エネルックは失敗してクールビズは成功したのか―コミュニケーションの戦略的一貫性
(10) 新商品は必ず売れない?―イノベーター理論とキャズム理論

著者・出版

著者: 永井 孝尚(ながい たかひさ)


マーケティング戦略コンサルタント。
ウォンツアンドバリュー 株式会社 代表。
<経歴>
1984年に慶應義塾大学工学部・計測工学科を卒業。
同年、日本アイ・ビー・エム株式会社に入社。
1991年、IBM大和研究所の製品プランナー、製品開発マネージャー。
1998年、戦略マーケティングマネージャー。
2012年、ソフトウェア事業部の人材育成部長。人材育成戦略立案と実施を担当。
2013年6月、日本アイ・ビー・エムを退社。
同年7月、ウォンツアンドバリューの代表に就任。
専門用語を使わずにわかりやすい言葉でマーケティングを伝えるプロとして、幅広い企業や団体を対象に講演やワークショップ研修を実施。 さらに書籍・雑誌の執筆、メディア出演などで、より多くの人たちにマーケティングの面白さを伝えて続 けている。 主な著書に、シリーズ60万部の「100円のコーラを1000円で売る方法」、10万部の「これ、いったいどうやったら売れるんですか?」などがある。

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