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単語を覚えたのに読めない人のための 英文読解のオキテ55(KADOKAWA) 宮下 卓也

Book Summary
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理解度チェック

本サイトで紹介する本に関する理解度チェック問題になります。


問題を解きながら、本の概要を理解できるように、
問題以上に解説に力を入れておりますので、是非活用ください。

レビュー

前作(シリーズ1:マーケティング編)が、マーケティングの基礎知識を網羅的に扱っていたのに対して、本作(シリーズ2:ビジネス戦略編)は、数々の成功を納めてきた筆者が成功体験からの脱却というビジネス戦略において最も大事にしていることを小説を用いてわかりやすく伝てくれています。この本の最大のポイントは練りこまれた物語によって実体験と似た感覚で成功体験からの脱却の重要性を把握できることにある。そのため、知識量は少ないが、2時間程度の読書でビジネスにおける重要な視点を実体験として得ることができるのです。一言でいうと主人公の宮前久美がどんどん出世していくシンプル物語です。主人公をサポートする与田(企画部長)は多くを語らず、そのときどきの局面において、示唆をするだけ。それを宮前久美が懸命に努力し、実行に移す。宮前久美がタスクリーダーとなり、社内の天敵は清水専務となる。ベテランであり、実績をつんできた人が直接に販売するという成功体験がパートナー販売をする宮前とぶつかる。 宮前はポーター戦略やランチェスター戦略をしり、 網羅思考から仮説思考へのシフト、選択と集中における基本であるなにを捨てるのか?ということを考えることになる・・[本書へ続く]
前作から間をあけずにすぐにシーズン2を読みましたが、小説感覚で3時間ほどで読めてストーリーとともにビジネス戦略について楽しめ学べる一冊だと感じました。

本書のメインテーマである成功体験からの脱却を実現するために、
 ・網羅思考から、仮説思考・論点思考へのシフト
 ・すべてやる思考から、『やらないこと』をあえて決断する思考へのシフト
 ・成功体験にこだわる同質集団から、成功体験に囚われない多様性な集団へのシフト
の3つのシフトがについて紹介されています。普段の生活にも取り入れられる内容だと思うのでシーズン1のマーケティング戦略と合わせて一気呵成に読まれることをお勧めします。

●ポイント
タスクフォースの設置

物語のなかで同月比の伸び率が一気に下がっている「社長の会計」の対策のためにタスクフォースを立ち上げることになる。主人公の宮前がコンセンサスを取ろうとするが各部署の人たちは自分たちの不満を述べるだけで責任転嫁をし業績悪化の責任を他社に押し付けるだけという状況。原因として複数の要因と因果関係があり、すぐに明確な解が得られない場合の対応の流れとして以下のことを順番に行うべきだと述べられています。
 ①リーダーを決める
 ②解決すべき問題や目的の明文化
 ③目的達成までのスケジュールと運用ルールを明確
 ④参加部門の定義とタスクメンバーの選出

網羅思考から、仮説思考・論点思考へのシフト

顧客の否定的な意見を集め、問題点をリスト化すると膨大な量になります。その量に頭を抱えて何も進んでいない状態を網羅思考に陥ってしまっている状態です。それとは対照に数多くの論点から最も重要な2、3個の論点に絞って対策を考え、PDCAを回す、これが論点思考であると。

なぜ顧客満足度は低下しているのか?という課題にたいして、仮説を立て→論点を立て→対策を立てることが仮説思考・論点思考です。そのうえで立体的なPDCAを回し続けると本書の中で与田は言っています。
仮説(Plan)をたて、実行して(Do)、その結果を検証して(Check)、次の行動(Action)に繋げることがPDCAだが、与田は宮前にストーリーがはっきりしておらず、仮説がないから検証もできずPDCAが回せていないと指摘をする。まずはPの計画(仮説)を作るのに時間をかけずにざっくりでいいので仮説をたててどんどん実行してみる。変化の激しい時代に求められるのは完璧なコンセンサスではなく意思決定のスピードと柔軟性が必要なのです。

『やらないこと』をあえて決断する思考へのシフト

業界トップのバリューマックスの社長は主力商品のシェアが奪われている対抗策としては「社長の会計」と類似した製品を開発し同質化戦略をとろうとしていた。なぜリーダー企業は差別化をするのか? それは自社が成長できるからである。同じ差別化戦略でも、強者が実行することによりその効果は数十倍にもなるからなのです。業界トップシェア企業は、市場を拡大する具体策としてフルライン戦略(幅広い品揃えにすること)があります。また競合が差別化をしてきた場合は追随して同質化を行います。コストリーダーシップを握っているリーダーは差別化されても同じことをしていれば自然と勝つことになります。

この状況でチャレンジャーである駒沢商会は、差別化戦略で対抗するしか道はないのです。つまり、選択と集中です。そのために『やらないこと』を決断するのです。宮前がとった戦略もまさに差別化戦略でした。

差別化戦略とは、市場全体を相手に製品、サービスを差別化することで特異なポジションを獲得する。そして消費者にとって魅力的な独自性を打ち出すことで、競合企業に対しての優位性を価格以外で築く戦略のことです。

差別化のポイントは様々あるが代表的なものとして
 
  • 製品そのもの差別化
  • 製品サービスの差別化
  • 消費者の認知度を高める差別化
本書の目次

第1章 「英文読解は難しい」は思い込み
第2章 主語・動詞を読み解くオキテ
第3章 「5文型」なんていらない?!
第4章 英文は「カタマリ」で理解せよ
第5章 長い文章を読み切るオキテ
第6章 出題者のワナを知れば英文読解はこわくない
第7章 さあ、英文を読んでみよう

著者・出版

著者: 宮下 卓也

河合塾講師。東進ハイスクール特別講師。元代々木ゼミナール講師。東京大学卒業。講師歴は約20年。 基礎クラスから東大・京大・医学部などの最難関クラスまで幅広く担当。受験指導のかたわら全国模試の作成や各種講座のテキスト作成にも携わる。
構文を重視した丁寧な説明で、授業がわかりやすいのはもちろんのこと、実際に「成績が上がる」授業で、多くの受験生を合格に導いてきた。
著書に『単語を覚えたのに読めない人のための 英文読解のオキテ55』『大学入学共通テストリーディング予想問題集』(共にKADOKAWA)などがある

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