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仕事は楽しいかね①[試すことをやめない](きこ書房) デイル・ドーテン

Book Summary
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理解度チェック

本サイトで紹介する本に関する理解度チェック問題になります。


問題を解きながら、本の概要を理解できるように、
問題以上に解説に力を入れておりますので、是非活用ください。

レビュー

本書のストーリーは、吹雪によって空港が閉鎖され、主人公の男性は26時間も待つハメになった。たまたま出会った風変わりな老人に「仕事は楽しいかね?」と聞かれ、主人公は日頃の不満をぶちまけてしまう。勤続15年になる主人公はまじめに週50時間働いているが、給料も上がらず出世もできず将来の不安も抱えていています。夢へチャレンジしようと自己研鑽を行ってい入るが妻子を抱え、住宅ローンのある身では、叶わない夢だとどこかで諦めている。その背景には過去の企業の失敗経験があったのです。その主人公が老人との会話を通して、成功メソッドを学んでいく物語です。物語としても十分楽しめるのですが、私はビジネス書として本書へ非常に高い価値を感じました。私が衝撃を受けたのは、長期の目標をたてて、それに向かって計画を作ることを真っ向から否定していることでした。これはまさに私がこれまでやってきたことだからショックを隠しきれませんでした。確かに自分のことを振り返ってみても過去の事実や知識や市場調査を根拠に整然とした計画をたてたとしても計画通りに進んだことはゼロといってもよいのです。なぜ計画がうまく機能しないのか?それは、現実は作られた計画のように整然としたものではないからです。現実は我々が目標を達成するまで静かに待っていてくれないことが多く、規則から外れたところにこそ真実があり、そこから教訓を得られるのが常だからです。

ストーリーを通して、私が著者から受け取ったメッセージは3つです。
成功を研究しても成功は手に入らない
唯一の目標は、明日は今日とは違う自分になる
あらゆることを試し、チャンスの数を増やす

私もそうだったように、これから本書を手に取る方の多くは、今までの当たり前と思ってきたことを考え直すキッカケを与えてくれる一冊になると思います。現在の仕事やプライベートに不満があるかた、計画をたて目標をもち必死に取り組んできたにも関わらず結果を出せない人は是非、本書を手に取ってみてください。

 

●著者のメッセージ
『試してみることに失敗はない』

『試してみることに失敗はない』という著者の言葉は、勘違いしてはいけないのが、試したことは成功するという意味ではなく、失敗には失敗としての意味があり、何かを得たという意味で失敗ではないということです。
失敗を失敗とし単に無かったものにするか、失敗したことに意味を見つけるか。特に新人や初心者には、失敗の意味を知ってもらいたい。失敗することによって、初めて次の人に経験談として指導できるのだから。

『今日の目標は明日のマンネリ』

本書で著者 「たいていの人は、マンネリ化した生活から抜け出すために目標を設定する。だけど、いいかい、今日の目標は明日のマンネリなんだよ。」と言っている。目標を否定しているが、目標自体がダメとしているのとは違うと考えています。目標に固執せず、日々目標を変えないといけないと捉えている。多くの場合、目標を決めてしまうと、目標を達成することが目的になってしまう。それは周りの環境が変わることを考えると、多くの場合では上手くいかないのは誰もが知っているはず。マンネリ化を防ぐために、目標は見直すものという考えを持っていたい。

また著者は、「きみは、最初に陸にあがった魚は、長期にわたる目標を持っていたと思うかね?」とも言っている。これは、大きな変化を達成するには、「まずしてみること」の大切さを訴えている。大きなことをする場合、どうしても最初の一歩目をちゅうちょしてしまう。しかし踏み出さないと何も生まれないのだからトライしてみることは大切であり、最初は小さく始めたい。

『明日は今日とは違う自分になる』

完璧な目標を設定してそれに向かいアクションリストを作成し日々それに向けて取り組むことに対し、「完璧とは、ダメになる過程の第一段階」と著者はいっている。完璧と思ってもその時の完璧に過ぎず、これからの完璧では無いということ。しかし多くの人は自分の完璧に固執し、新たな方法を否定する傾向にあるのです。そして著者は、『唯一の目標は、明日は今日とは違う自分になることだ」と言っています。

この裏付けとして成功者の事例を用いて『だれ一人、立派なビジョンを持って、それに向かって突き進んでいたわけじゃない。彼らはみんな、目標設定者でも計画立案者でもなかった。彼らは冒険者だったんだ』と伝え、多くの人が陥っている状態を『みんな、成功した人の右に倣えをしようとするけれど、成功するというのはね、右に倣えをしないということなんだ。彼らはね、他人を凌駕する人材になろうとしているけど、それを他人と同じような人間になることで達成しようとしているんだ』と解説している。

『新しいアイデアというのは、新しい場所に置かれた古いアイデア』

『遊び感覚でいろいろやって、成り行きを見守る』などのメッセージから思いつきや偶然に身をゆだねることこそが大切だという間違った解釈をしてしまいそうになりますが、著者は思いつきを勧めているわけでも、目標や計画を100%否定しているわけでもないのです。著書は3つのリストを作ることを勧めています。リストとは
(1)仕事上でやったミスを書き出したリスト
(2)イライラや不満から問題点を洗い出したリスト
(3)仕事に関して行っているすべてのことを書き出したリスト

このリストを作成することは、古いアイデアから新しいアイデアが生まれるからであり、アイデアの作り方なのです。つまり、何かを試し続けることが成功への近道であり、何を試すべきかを常に考るために、このようなリストが必要だということでしょう。反対に、そういった目線で見ていない限り、失敗を失敗としてしか見られないし、チャンスがどこにあるのかも気づけないということを語っているのだと思います。試して、失敗した瞬間に、そこから新たな着想を得られるような人物であるように自分を鍛え上げておけということでしょうか。

『新しいアイデアというのは、新しい場所に置かれた古いアイデアなんだ。』という著者の言葉には、今まで誰も知らなかった、革新的な技術というものは存在するが、ヒットしている多くのものは、知っているものの組み合わせによって生まれているということです。例えば、スマホも組み合わせを変えただけに過ぎないません。これまでは電話にいろいろな機能をつけていたものを、スマホは小型コンピューターに電話機能を付けている、ただこれだけの差で、全てが変わってしまったのです。

本書の目次

第1章 仕事は楽しいかね?
第2章 人生とは、一つのくだらないことが<何度も>繰り返されていくのだよ。
第3章 試してみることに失敗はない
第4章 明日は今日と違う自分になる、だよ。
第5章 これは僕の大好きな言葉の一つなんだ。
第6章 必要は発明の母かもしれない。だけど偶然は発明の父なんだ。
第7章 目標に関するきみの問題は、世の中は、きみの目標が達成されるまで
第8章 きみたちの事業は、試してみた結果失敗に終わったんじゃない。
第9章 「あらゆるものを変えて、さらにもう一度変えること」なんだよ。
第10章 それはね、「あるべき状態より、良くあること」なんだ。
第11章 素晴らしいアイデアをくれるとして、きみはそれにふさわしいかね?
第12章 覚えておいてくれ。「試すことは簡単だが、変えるのは難しい」ということを。
第13章 新しいアイデアというのは、新しい場所に置かれた古いアイデアなんだ。
第14章 きみが「試すこと」に喜びを見い出してくれるといいな。

著者・出版

著者: デイル・ドーテン

1950年9月30日-/男性)は、アメリカのビジネス・コラムニスト、著述家、講演家、実業家。
アリゾナ州立大学およびスタンフォード大学のMBAにおいてイノベーションおよびその体現者についての関心を深める。Lumina Corporationの社長であり、The Innovator’s Labの創設者でもあり起業家・実務家の顔をも併せ持つ。1980年に、マーケティングリサーチ専門会社であるリサーチ・リソーセスを起業する。マクドナルド、3M、P&Gなどの国際的大企業を顧客に抱える。1991年に新聞に発表した経済コラムが好評を博したことから、執筆業を開始。連載しているコラムは100社以上の新聞社に配信されており、多数の愛読者を持つ。執筆業の他には企業講演、従業員訓練やキャリアセミナーの開催といった活動もしている。

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