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MBAマーケティング(STEP5)製品戦略

Book Summary
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理解度チェック
(STEP5)製品戦略

【概要:Overview】
企業活動において製品やサービスこそが価値を生み出す源泉である。売るべき製品やサービスがなければ、どのような精緻な価格戦略、流通戦略、コミュニケーション戦略があっても意味がない。マーケティングミックスの中で他のマーケティングに先駆けて練らなくてはならないのが製品戦略です。
製品構造は、
・コア(顧客の本質的ニーズをみたす機能そのもの)
・形態(コアに付随する製品特性。缶コーヒーであればデザインやパッケージ)
・付随形態(アフターサービスや保証など顧客価値を認める付随機能)
で構成される。この3つの階層のどれが重要かは、製品特性や市場の発達段階でことなる。またそれぞれの階層の中の重要項目も製品によってことなる。例えばパソコンなら性能や仕様が重視され、化粧品ならブランドやパッケージが重視される。

【方法:Method】
1.製品アイデアの探求
:シーズ型とニーズ型がある。シーズ型は「我々の強みは何かに利用できないか?」、ニーズ型は「このようなニーズがあるが、何か解決できる方法はないか?」という視点から生まれる。3Mでは、リスクをおそれずに新たな製品やサービスに挑戦することを推奨している。企業としてシステマティックにアイデアを生み出し続ける仕組みも整備されている。製品化に至ったプロセスのみならず、失敗した際の技術情報には社内のだれもがアクセスできる。

2.アイデアのスクリーニング:創出したアイデアは、経営理念や戦略ドメイン、経営資源、経済性、市場性、実現性の観点でふるいにかけていく。

3.製品コンセプト開発:スクリーニングしたアイデアに対し、誰にどのようなベネフィットを与えるかを念頭に置きながら明確なステートメントを表す。

4.マーケティング戦略検討:コンセプトがきまったら企業が具体的に提供する価値体系を組み立てる。ターゲットやポジショニングを明確にし、マーケティングミックス戦略を明確にする。

5.事業経済性分析:売り上げ予想や原価、利益を楽観的、現実的、悲観的の少なくとも3パータンで検討する。 また製品ライフサイクル理論に基づき、導入期・成長期・成熟期・衰退期などの分析も市場など外部状況と組み合わせて想定する。

【事例:Case】
リブレコンセルジュの例では、白金エリアのマンションに住む20代以上の女性で材料・素材にこだわる食材を中心としたワンランク上の宅配サービス。料理好きの専業主婦は日常の食事にビジネスウーマンは週末の食事に利用というスタート時のコンセプトである。このコンセプトは将来的に都心マンションに住むあらゆる相談に高いレベルで解決するサービス、プライベートからビジネスまでNoといわない本格的なコンシェルジュサービスへと拡大された。このように製品コンセプトは、想定するユーザが実際にそれを使用しているイメージを具体的にアイデアかし、消費者にとって意味ある形で分かり易く説明したものであるのだ。

顧客ニーズを汲み上げ、開発・生産・販売など様々な活動を連動させながら、顧客によって価値のある製品・情報を提供していく。その青写真を描くためにマーケティング戦略を策定する。この一連のプロセスを詳細に説明していきます。
※詳細プロセスに興味ある方はリンク先を参照ください

●章ごとの要点

①環境分析

市場に影響を与える内外のさまざまな要因により構成されるマーケティング環境の分析を通して市場の機会と脅威を整理し自社の強み弱みを再確認する。

②マーケティング課題の特定

マーケティング課題を洗い出し、今回取り組む課題とマーケティング目標を明確する。

③セグメンテーション・
ターゲティング

市場細分化・標的市場選定プロセス。顧客市場をグループ分けして、どの顧客セグメントに焦点をあてるかを決定する。

④ポジショニング

競合製品と差別化し、顧客にアピールできるような自社製品を提供価値を決定する。

⑤製品戦略

新製品開発だけでなく、製品特性やライフサイクルを踏まえて製品ラインの拡張や集約など、市場投入後の製品の育成やマネジメントについて決定する。

⑥価格戦略

製品やサービスの価値を表示するという重要な役割をもち、企業は需要動向と利益のバランスをとりながら製造コスト、カスタマー・バリュー、競争環境に留意して価格を決定する。

⑦流通戦略

製品を効率的に市場に届けるために、製品の特性、ユーザ特性、競合環境などを総合的に考慮にいれて、最適な流通チャネルを選択し、構築する。

⑧コミュニケーション戦略

ターゲットとなる顧客に適切な情報を適切なタイミングで伝える方法を決定する。

⑨実行計画策定

マーケティングミックスを実現するために行動計画を策定し、予測損益計算書を作ったうえで、その戦略シナリオの戦略策定プロセスの全体像を把握する。

本書の目次

第1部 基礎編
第1章 マーケティングの意義とプロセス
第2章 環境分析と市場機会の発見
第3章 セグメンテーションとターゲティング
第4章 ポジショニング
第5章 製品戦略
第6章 価格戦略
第7章 流通戦略
第8章 コミュニケーション戦略

第2部 応用編
第9章 ブランド戦略
第10章 マーケティングリサーチ
第11章 顧客経験価値とカスタマージャーニー
第12章 BtoBマーケティング

著者・出版

著者: グロービス大学院


2006年4月に株式会社グロービスが東京都千代田区のキャリア教育推進特区を利用した「株式会社立大学」(学校法人ではなく営利企業としての株式会社が設置した大学)として創立した。その後、2008年には設置者を学校法人グロービス経営大学院に変更し通常の学校法人立の私立大学となった。経営研究科のみが設置されている。
「社会に創造と変革をもたらすビジネスリーダーの育成」をその教育方針に据え、原則として企業や官公庁、団体等における3年以上の社会人経験を有する者を対象にしている。現在は東京都千代田区と大阪市淀川区、愛知県名古屋市中村区、宮城県仙台市青葉区、福岡県福岡市博多区にキャンパスがある。2009年4月には英語によるMBAプログラムを開講した。

<経緯>
1992年 株式会社グロービス設立。
2001年9月 株式会社グロービス社長が、ビジネスマンのキャリアアップ教育構想として、GDBA(Graduate Diploma in Business Administration、「グロービス・オリジナルMBAプログラム」)を発表
2002年4月、アントレプレナリアル・リーダーシップがGDBA初の科目として先行開講
2003年4月、GDBAの本格的開講。グロービス・マネジメント・スクール名古屋校開校
2004年4月、グロービス・マネジメント・スクール大阪校開校。
2006年4月、株式会社グロービスがグロービス経営大学院大学を開学(東京校・大阪校)。
2008年4月、グロービス経営大学院大学の設置者を、株式会社グロービスから学校法人グロービス経営大学院に変更。

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