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世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事 (東洋経済新報社) 津川友介

Book Summary
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レビュー

「科学的に証明された究極の食事」とは、強い科学的根拠を持ち、同時に今後大きく覆らないだろうと考えられる普遍性を備えた食事のことです。 なぜなら本来「科学的な検証によると、どうやら真実に近いらしい」と言うためには、科学的根拠の強い方法で検証されている必要があるからです。「科学的根拠の強い方法」とはすなわち、「メタアナリシス」と呼ばれる方法です。メタアナリシスとは複数の研究結果をとりまとめた研究方法を指します。例えば健康と食事の関係についての研究を、日本の関西地方の日本人を対象に行ったとします。するとこの研究で出た結論は、特定の国、特定の地方、特定の人種にしか適用できないという可能性があります。しかし対象の違う同じような健康と食事の関係についての研究を10個20個と集めていけば、この研究の結論はより普遍的なものだ=科学的根拠が強いといえるようになるのです。

健康的な生活を実現するためには、日々なにを口にするかがきわめて重要。だが情報過多な昨今、自分が必要とする正確な情報を選び取るのは容易ではない。一見すると正しそうでありながら、科学的根拠(エビデンス)のない「健康情報」が世の中にはあふれている。いまあなたが信じている健康情報は、本当に正しい情報だろうか?

医療政策学者でもあり医師でもある著者は、膨大な研究論文からエビデンスを読み解く教育を受け、日々研究を続けている。そうした経験にもとづき、現時点でもっとも「正解に近い」と考えられる食事を本書では紹介している。食事を通して健康になりたければ、5つの「健康によい食品」を食べ、3つの「健康に悪い食品」を避ければいい。実にシンプルだ。まさに書名に偽りなしといえるだろう。

本書のPoint
■ 科学的にエビデンスのある体に良い食事


野菜と果物(フルーツジュース、じゃがいもは含まない)
茶色い炭水化物
オリーブオイル
ナッツ類


です。茶色い炭水化物とは、玄米、そば、全粒粉を使った茶色いパンなどの、精製されていない炭水化物のことです。よく「炭水化物は体に悪い」などと言われていることを耳にしますが、これは謝りです。茶色い炭水化物に関しては、逆に、健康にいいとされています。
■ 体に悪い食事


赤い肉(牛肉や豚肉のこと。鶏肉は含まない。ハムやソーセージなどの加工肉は特に体に悪い)
白い炭水化物
バターなどの飽和脂肪酸


です。白い炭水化物とは、白米、うどん、パスタ、小麦粉を使った白いパンなどの精製された炭水化物のこと。白米は、白い炭水化物に分類されていて、食物繊維の量が少ない食品です。そのため、体の中で糖に分解されるので、実質的に、砂糖と同じ役割を果たしてしまう食べ物です。
衝撃的な発言だったかもしれませんが、白米を、玄米に置き換えることで、健康な食事へと変えることができます。この機会に、食事を見直してみてはいかがでしょうか。
本書の目次

第1章 日本人が勘違いしがちな健康常識
  1 科学的根拠にもとづく本当に体に良い食事
  2 食品に含まれる「成分」に惑わされるな
第2章 体に良いという科学的根拠がある食べ物
  1 オリーブオイルやナッツは脳卒中やがんのリスクを下げる 
  2 果物は糖尿病を予防するが、フルーツジュースは糖尿病のリスクを上げる
  3 魚は心筋梗塞や乳がんのリスクを下げる 
第3章 体に悪いという科学的根拠がある食べ物
  1 「白い炭水化物」は体に悪い
  2 牛肉、豚肉、ソーセージやハムは健康に悪い
特別編 病気の人、子ども、妊婦にとっての「究極の食事」

著者・出版

著者: 津川 友介(つがわ ゆうすけ)


カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)助教授.東北大学医学部卒、ハーバード大学で修士号(MPH)および博士号(PhD)を取得。聖路加国際病院、世界銀行、ハーバード大学勤務を経て、2017年から現職。著書に『週刊ダイヤモンド』2017年「ベスト経済書」第1位に選ばれた『「原因と結果」の経済学』(中室牧子氏と共著、ダイヤモンド社)、『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』(東洋経済新報社)。ブログ「医療政策学×医療経済学」で医療に関する最新情報を発信している。

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