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芸人交換日記~イエローハーツの物語~ (太田出版) 鈴木おさむ

Book Summary
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レビュー

架空の芸人コンビ、イエローハーツの二人が、男同志なのに交換日記を始めて本音をぶつけあうというお話です。 交換日記形式で書かれており、ちょっと変わった小説です。イエローハーツの二人は、芸歴10年を超えて、M1にも出れなくて、弱小プロダクションにいる芸人コンビ。 ネタだけはおもしろいって言われてたのに、売れずに30歳を超えてしまったコンビ、 物語は小説なんでフィクションですが、ここに書かれている売れない芸人の悩み、嘆き、怒りはほぼ事実です。というのも僕の周りには売れている芸人さんも沢山いますが、それ以上に売れてない芸人も沢山います。 そんな売れない芸人としょっちゅうお酒を飲んだりしていて、彼らの悩みや不満があまりにも切なく、悲しく面白かったというのが本書が誕生したキッカケのようです。芸人さんのことを書いた小説はいくつもありますが、これを読んだ芸人さんからは「こんなリアルな芸人の物語、なかった」という感想が多く、色んな芸人さんが泣いたそうです。ちょっと「痛み」があるはず物語ですが、 夢を持っていた人、今、夢を持っている人。 僕は「夢を諦めるのも才能」だと思っているので、そのことを投げかけられています。

文庫本の初めに著者の鈴木おさむさんのメッセージがあります。

これは、僕がどうしても書きたかった物語。世の中には、テレビに出ていない、出ることの出来ない芸人さんが、数千、いや1万人以上います。10年以上もがき続けている人もたくさんいます。この物語は、30歳を迎えた無名のコンビが、初めてお互いの本音をぶつけ合った記録です。どうか彼らの心の叫びが、みなさんのもとに届きますように。あなたは、誰かのために、自分の夢を諦めることができますか?

”芸人交換日記~イエローハーツの物語~”より引用

本書のPoint
■ 人間ドラマに引き込まれる
無駄に熱くて不器用で人間臭い甲本と、クールで内向的でケチな田中、この対称的な2人だからこそ読んでて面白い掛け合いの交換日記。序盤はとてもシュールで、くすりと笑えるくだらない売れない芸人の日常ですが、お笑いコンテストを目指すところあたりから、色々葛藤や試行錯誤し、2人の立場や心境の変化にどんどん引き込まれていきます。夢をテーマにした物語で自分に置き換えならが楽しむことができました。
夢を諦めるという才能
大切なもののために、夢を諦めるた甲本。そしてまた新たな夢を見つけて真っすぐに生きる。まさに人生そのものであり、人生において大切なものを教えてくれる一冊だと感じました。
芸人の世界
芸人という未知の世界を垣間見ることが出来る一冊だと思います。普段画面の向こう側にいて人を楽しませることにまっすぐ向き合う芸人さんたちの苦労・喜びを少し理解できた。
著者・出版

著者:  鈴木おさむ(すずき おさむ) 


放送作家。1972年、千葉県千倉町(現南房総市)生まれ。
高校時代に放送作家を志し、19歳でデビュー。バラエティーを中心に数々の人気番組を構成。2002年には、森三中の大島美幸さんと結婚。「いい夫婦の日」パートナー・オブ・ザ・イヤー2009受賞。主な著書に、結婚生活を綴った『ブスの瞳に恋してる』(マガジンハウス)、『ハンサム★スーツ』(集英社)、『テレビのなみだ』(朝日新聞出版)など。

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