スポンサーリンク

全裸監督 村西とおる伝 (太田出版) 本橋信宏

Book Summary
スポンサーリンク
レビュー

人生、死んでしまいたいときには下を見ろ! おれがいる。前科7犯。借金50億。米国司法当局から懲役370年求刑。奇跡の男か、稀代の大ボラ吹きか。“AVの帝王”と呼ばれた裸の男の半生(ノンフィクション)。

日本経済に必要なのは、村西とおるが手放さない生への希望である。 資本主義は死の絶望と生の希望を両輪とする経済システムであり、多くの人が死の絶望に怯えるとデフレになる。甦るには、村西とおるが手放さない生への希望こそが必要だ。

村西とおるの印象は学生の頃「パンツ一丁」でテレビに出てルー大柴と丁寧語をミックスしたようなしゃべり方をするをするよくわからない職業の人という印象である。後ほど職業を知って唖然としたのだが・・・読んでみての感想は狂気に満ちた毎日爆弾が落ちてくる人生でよく生きていられるなという印象。前科七犯でも懲りず借金50億作っても懲りず突き進む。生きているという実感のために狂気を発しながら生きるという印象です。そしてこの本を読んでもうひとつ気になったのがあの頃テレビにやたら出ていた黒木香嬢・・・当時インテリでお育ち良さそうな人がなんでこんなことをしているのだろうと思ったのをよく覚えてます。彼女が今も無事であることを願うばかりである。本の帯に「人生、死んでしまいたいときには、下を見ろ! おれがいる」とありますが少しでも悩みがある人におすすめの1冊です。「狂気」と「熱量」と「いかがわしさ」で少しは「ナイス」な気分になれます。

村西とおる、本名・草野博美。工業高校卒業後上京。どんな相手でも陥落させる応酬話法によって、英会話教材販売売り上げで日本一達成(1つ目の日本一)。インベーダーゲームのブームに乗り、ゲーム機設置販売で財を成す。ビニ本と裏本の制作・販売業に転じ、業界日本一になる(2つ目の日本一)。指名手配され逮捕。再起を図ってAV監督になり、“駅弁”“顔面シャワー”など次々と新機軸を考案。ハワイで撮影中にFBI合同捜査チームに逮捕され懲役370年を求刑される。黒木香主演「SMぽいの好き」でみずから相手を務めて、“AVの帝王”と呼ばれ、業界日本一に(3つ目の日本一)。ジャニーズ事務所に喧嘩を売り、元フォーリーブス・北公次復活をプロデュース。事業拡大に失敗、50億円の債務を負う。前科7犯。無一文になりながら専属だったAV女優と再婚、長男をお受験の最難関小学校に合格させた。そのどれもが実話である。

本書のPoint
■  悩んだらこれを読め
本書を読む最大のメリットは、自分の悩みが小さく思えてくることだ。1度きりの人生豪快に生きようではないかと思わせてくれることころに本書を読む価値があると思う。
 Netflixでも話題
Netflixの内容は本書と異なる部分も大いにあるが、それはそれで面白くまとめられているのでNetflixもオススメ。ナイスです。
本書の目次

【目次】
プロローグ
第1章 4人 太平洋戦争における村西とおるの親族の戦死者数
第2章 1万7千円 「どん底」初任給
第3章 1億円 村西とおるが部下たちと台湾で二週間豪遊したときの総額
第4章 600万円 村西とおるが毎月警視庁刑事たちに渡していた裏金
第5章 180円 『スクランブル』の定価
第6章 1万4000円 保釈された村西とおるのポケットに入っていた全財産
第7章 10点 『ビデオ・ザ・ワールド』誌上の新作批評に掲載された『淫らにさせて』(主演・森田美樹・一九八五年制作)の100点満点の総合点数
第8章 1位 『ビデオ・ザ・ワールド』1985年度ベスト10に選ばれた村西とおる監督作品『恥辱の女』の順位
第9章 4本 『SMぽいの好き』で主演・黒木香が陰部に挿入した指の本数
第10章 370年 村西とおるがアメリカ検察庁から求刑された懲役年数
第11章 3000万人 村西とおるが撮影時に証言するAVファンの人数
第12章 6人 村西とおると対峙したメリー喜多川副社長が会議室に乱入させた親衛隊人数
第13章 16歳 村西とおるが撮った主演女優の実年齢
第14章 ∞ 村西とおるが断言した清水大敬組の制作費
第15章 50億円 村西とおるが個人で負った借金の総額
第16章 8000万円 村西とおるの眼球毛細血管が破裂して血の涙を流して借りた金
第17章 4枚 村西とおるの息子がお受験で使った画用紙の枚数
第18章 21歳 村西とおるが男優として復活したときの相手役、野々宮りんの年齢
第19章 14億人 村西とおるが新たな市場として狙う中国の総人口
第20章 68歳 この書が刊行されるときの村西とおるの年齢

著者・出版

本橋信宏(もとはし のぶひろ)


1956年埼玉県所沢市生。早稲田大学政治経済学部卒。私小説的手法による庶民史をライフワークとしている。実家から徒歩10分ほどで「となりのトトロ」のモデルになった狭山丘陵・八国山が横たわる。現在、都内暮らし。半生を振り返り、バブル焼け跡派と自称する。執筆内容はノンフィクション・小説・エッセイ・評論。著書に『裏本時代』『AV時代』(共に、幻冬舎アウトロー文庫)、『新・AV時代 悩ましき人々の群れ』(文藝春秋)、『心を開かせる技術』(幻冬舎新書)、『<風俗体験ルポ>やってみたらこうだった』『東京最後の異界 鶯谷』『戦後重大事件プロファイリング』(以上、宝島SUGOI文庫)。『60年代 郷愁の東京』(主婦の友社)、『迷宮の花街 渋谷円山町』(宝島社)、『エロ本黄金時代』(東良美季共著・河出書房新社)、『上野アンダーグラウンド』(駒草出版)など多数。

コメント

タイトルとURLをコピーしました