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5W1H思考 (すばる舎)渡邉光太郎

Book Summary
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レビュー

・難しいフレームワークや思考発想法を学んだが、うまく活用できていない
・物事の細部に入り込みすぎてしまい、「視野が狭い」「もっと全体を見て考えろ」「目的を忘れるな」とよく指摘される
・本質的な問題設定や抜本的な問題解決が苦手である
・説得力のある戦略プランが提案できない
・アイデアを出しても、「数が少ない」「平凡だ」とよく言われる

上記のようにせっかくたくさんのフレームワークを学んでも、うまく使いこなせい、成果に結びつかないと感じたときにこそ重宝するのが5W1H。When(いつ?)、Where(どこで?)、Who(誰が?)、What(何を?)、Why(なぜ?)、How(どんなふうに?)。実はたったこれだけで、数々の複雑なビジネスの課題に応える、MBAレベルのアウトプットが出せるということをご存じでしょうか?

課題提起、問題発見・問題解決、創造的アイデア発想、説得力のあるコミュニケーションなど、日々の業務のさまざまな場面で、あなたのパフォーマンスを高めてくれる最強の武器となる、シンプル最強の「考具」、それが5W1Hです。

本書のPoint
「5W1H思考」で課題提起する

課題を提起する上で、まずやるべきことが「BigーWhyにさかのぼる」ことです。「Big-Why」とは、「上位の目的やゴール、真のニーズ」のことで、「Why」を使い、いつも意識しているレベルから、一段、二段高いところへ目指します。そして、高いところから、再度下って、WhatはHowを再考することで、本質的な「解」が見つかるのです。

例えば「新規顧客開拓」という目的が定まったとします。この時、「Why(なぜやるのか)」という問いに対し「知名度を上げる」「売り上げを上げる」という新たな目的に辿り着きます。そして、さらに一段上の「Big-Why(どうありたいのか)」という問いに対し、「たくさんの人にいい商品を手にしてもらいたい」という、高次の目的にさかのぼれます。

最後に、たくさんの人にいい商品を手にしてもらうにはWhat「どうすればいいのか?」How「どうやればいいのか」と再考することで、さらに質の高い解を求めることができるのです。このように「Big-Why」で高次の目的が明確になると、やるべきことの質が上がるのです。
「5W1H思考」でアイデア発想する

ビジネスシーンで直面する問題として「いいアイデアが浮かばない」というものがあります。こんな時も「5W1H思考」が役に立ちます。Whyでは「何のために?」「どんな価値を?」を考えます。Whenでは「いつ?」「長さは?」「速さは?」「プロセスは?」を考えます。Whereでは「どこで?」「どんな場面で?」「どのチャネルで?」を考えます。Whoでは「誰が?」「誰に?」「誰と?」を考えます。Whatでは、(何を?製品やサービス自体)を考えます。最終的に、真ん中の「What」を押すと答えが出てくるという仕組みです。

まず、周辺にある4Wを考えていきます。What以外の要素に目を向けることで発想が広がります。従来のシチュエーションを考え、なるべく反対方向の要素を探ります。そして、最後にWhatに答えるとイノベーションが生まれるのです。

コツは、真ん中にあるWhatのスイッチをいきなり押さないことです。それに加え、より細かいHowにも入り込まないことです。まずは、周辺の4Wの要素をひねって考えることで、ありがちな視野から、イノベーションな視野へと移行できるのです。以上を踏まえながら、アイデア発想を行うことで、新たな視点に立つことができます。
「5W1H思考」でコミュニケーション力を高める

何かを説明するときは、いきなり細かいHowの話に突入してしまうのではなく、先述の3層構造の上から下に、Why⇒What⇒Howの順番で伝えることが基本です。
「どうもあなたの話はわかりにくい」と言われたり、「なんでそれが大事なの?」「この資料、要は何を言いたいの?」と、よく相手から尋ねられてしまう人は、この基本形を押さえてみましょう。  実際の説明では、相手の状況や与えられた時間によって、WhatやHowから始めたほうがよい場合もありますが、いずれにせよ、この3層で自分の思考を整理・構造化するクセをつけることが大切です。
本書の目次

1 課題提起―Big‐Whyで「真の目的」にさかのぼる
(真の目的“Big‐Why”へさかのぼる;「どこまでさかのぼれるか」が成否の分かれめ ほか)

2 アイデア発想―5W1Hで「思考キャンバス」を広げる
(モレなくヌケなく思考するために;発想を広げるテコとしての5W1H ほか)

3 コミュニケーション―Why‐Howで「説得力あるロジック」を作る
(“説明”上手は「Why‐What‐Howの3点セット」を使う;“説得”上手は「Why‐Howのピラミッド」を描く ほか)

4 問題解決―3W1Hで「筋のよい打ち手」に絞り込む
(3W1Hのステップで「決め打ち」「むだ打ち」をなくす;上流の2つ。「What」と「Where」が筋の良し悪しを決める ほか)

著者・出版

わたなべ こうたろう
渡邉 光太郎
㈱ランウィズ・パートナーズ 代表



㈱東芝、大手シンクタンクを経て、現在は、企業の事業戦略立案・組織開発の伴走コンサルティング、グロービス・マネジメントスクールや早稲田大学オープンカレッジの講師、セミナーや企業研修の講師に従事するほか、フラワースタジオ(グリーンフォーリア)の経営等も行っている。 思考術コンサルタント。早稲田大学卒業、英国国立レスター大学経営大学院修了。 著書に、『シンプルに結果を出す人の5W1H思考』、『仕事で必ず結果が出る ハイパフォーマー思考』、『シンプルに人を動かす5W1Hマネジメント』、『MITスローン・スクール戦略論(共訳書)』などがある

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