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これからのマネジャーの教科書 (東洋経済新報社) 田久保善彦

Book Summary
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レビュー

変化が激しく先行きが見えない時代に、なぜ、成果を上げ続けることができるミドルマネージャが存在するのか?キリンビール、パナソニック他、第一線で活躍するマネジャーには共通点と法則性があった。

以下の3つの力を獲得、強化し、自分自身を変えることで、「期待を超えるマネジャー」になれる!

 ●組織で成果を出す力[スキル]
 ●仕事に対する想いの力[ウェイ]
 ●周囲の考えとの違いを乗り越える力[ギャップ]

上に合わせても下からは慕われない。下ばかり大事にしても横から足を引っ張られる。しかし、そうしたしがらみにとらわれながらもジレンマと戦い、上司、同僚、部下を味方につけて「周囲からの期待以上の成果を上げるミドルマネジャー」もまた存在する。こうしたミドルマネジャーからは何ごとも前向きに捉え、いかなる困難も成長の糧として、常に変化、進化、成長していこうという前向きなパワーを感じる。さらには、自らの志を持ち、働くことを楽しんでいるように見える人もいる。「常にイキイキと仕事に取り組み、周囲からの期待を超える活躍をしているミドルマネジャーとそうでないミドルマネジャーの違いはどこから生まれるのか?」本書は、この疑問への答えを探るために、期待を超える成果を上げている40名以上のマネジャーにインタビューを行い、その結果をまとめたものである。彼らは、それぞれ自分の価値観をベースに、自分なりの方法で、必要な能力を獲得し、未知を切り開いていた。しかし、そのような中でも、彼らから共通して学びうる大切なポイントがたくさんある。

本書のPoint
期待を超え続けるミドルマネージャになるためポイント

期待を超えるミドルマネジャーとは、『組織のしがらみの中においても、環境の変化に合わせ自己を変革し続けながら、組織として周囲の期待以上の成果を上げ続ける人』である。期待を超えるミドルマネジャーは、次の3つの力を持っている。
 ・組織で成果を出す力「スキル」
 ・仕事に対する想いの力「ウェイ」
 ・周囲との考えの違いを乗り越える力「ギャップ」


この3つの力を「獲得」し、「維持」しながら「強化」し、失った場合は「回復」せねばならない。 期待を超えるミドルマネジャーの多くは、世の中の成長スピードよりも速く自己を成長させ続けている。環境の変化に適応し、自分自身を変えながら新しい自分を作り上げていく力に長けているのだ。自己変革するための思考プロセスは、以下の通り

ステップ1:「自己認識」を深める
意図的に自らを振り返る節目を作り、良く考えてリーダーとして一皮むける。「考える」と「悩む」は違う点に注意。

ステップ2:自分にとって「都合の良い解釈」をし、次にやる事を決める
自分自身の決定を正当化し、「これで良いのだ」「今の状況には意味がある」と強く信じる。その後、次にすべきことを決める。悲観的・他者責任的な思考では前へ進むことはできない。

ステップ3:自分の取った行動や置かれた状況に基づき、「持論形成」する
持論とは、現時点で自覚している、仕事を進めるうえで最も大切な力を言語化したもの。過去の経験から形成した「これが大事」という持論は、苦境に立った際に役に立つ
本書の目次

第1章 ミドルマネジャーとは何か
・マネジメントという仕事
・ミドルマネジャーとは誰を指すのか
・自己変革力を求められるミドルマネジャー

第2章 期待を超えるミドルマネジャーを生むメカニズムと3つの力
・期待を超えるミドルマネジャーとは何か
・スキル(組織で成果を出す力)
・ウェイ(仕事に対する想いの力)
・ギャップ(周囲との考えの違いを乗り越える力)

第3章 期待を超えるミドルマネジャーの自己変革力
・期待を超えるミドルマネジャーになる
・期待を超えるミドルマネジャーはどのように自己変革するのか
・自己解釈レンズ ワークシート

第4章 期待を超えるミドルマネジャーであり続けるために
・期待を超えるミドルマネジャーにも紆余曲折がある
・紆余曲折をいかにくぐり抜けるか―3つのパターン
・維持、回復、強化のための具体的な行動・思考

第5章 7人の事例に学ぶ ミドルマネジャーの自己変革力
事例1:「やりきる」ことで次のチャンスが巡ってくる
     ――キリンビールマーケティング 早坂めぐみ
事例2: 繰り返し取り組んで自らの軸を太くしていく
      ――国内大手機械部品メーカー 牧 浩一(仮名)
事例3: 「読者に喜んでもらいたい」という想いを形にする
          ――女性誌編集長 鈴木裕子(仮名)
事例4: ロジカルスキルとコミュニケーションスキルを強みに自分の提供価値を最大化
          ――スリーエム ジャパン 井手伸一郎
事例5:「これだけはあいつに聞け」と言われる強みをつくる
          ――外資系医療関連会社 山本健一(仮名)
事例6:「人のためになることをしたい」という想いを軸として生きる
          ――日本財団 青柳光昌
事例7: 想い(ウェイ)の強さで社内外を巻き込んで大企業を活性化
          ――パナソニック 有志の会 OnePanasonic発起人・代表 濱松 誠

著者・出版

田久保善彦 Yoshihiko Takubo



グロービス経営大学院 経営研究科 研究科長
学校法人グロービス経営大学院 常務理事

慶應義塾大学理工学部卒業、学士(工学)、修士(工学)、博士(学術)。スイスIMD PEDコース修了。株式会社三菱総合研究所を経て現職。経済同友会幹事、経済同友会・規制制度改革委員会副委員長(2019年度)、ベンチャー企業社外取締役、顧問等も務める。著書に『ビジネス数字力を鍛える』『社内を動かす力』(ダイヤモンド社)、共著に『志を育てる(増補改訂版)』、『グロービス流 キャリアをつくる技術と戦略』、『27歳からのMBA グロービス流ビジネス基礎力10』、『創業三〇〇年の長寿企業はなぜ栄え続けるのか』、『これからのマネジャーの教科書』(東洋経済新報社)、『日本型「無私」の経営力』(光文社)、『21世紀日本のデザイン』(日本経済新聞社)、『MBAクリティカル・シンキングコミュニケーション編』、『日本の営業2010』『全予測環境&ビジネス』(以上ダイヤモンド社)、『東北発10人の新リーダー 復興にかける志』(河北新報出版センター)、訳書に「信念に生きる~ネルソン・マンデラの行動哲学」(英治出版)等がある。

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