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速さは全てを解決する(ダイヤモンド社)赤羽雄二

Book Summary
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レビュー

『ゼロ秒思考』の赤羽雄二さんが驚異的な仕事量を可能にする哲学とノウハウを詳細に解説されています。本書で例示されている、仕事が遅い理由が以下になります。皆さんも心当たりがあるはずです。

すぐ始めることができない

目先の仕事にかまけて遅れる、何だかんだ理由をつけて始めようとしない、ということはないだろうか。(略)一度後回しにし始めると、「遅れたからちゃんとやらなくちゃ」と思い、さらに遅れるようになる。遅れた分、挽回し、よりよい結果を出そうとする。こう思ったらほぼアウトで、遅れている段階で質を上げて挽回することは大変難しい。

書類・資料作成が遅い

書類・資料をつくり始めるまであれこれ悩む。上司の顔がちらつく。調べ尽くさないと不安で書類をうまくつくれない。(略)だいたい、上司も何を求めているのかはっきり言ってくれない。いつもそうだが、おそらく上司もどういう書類がほしいのか、肝心のところはよくわかっていないのだ。自分の要望を的確に、曖昧さなしに伝えられる上司などほとんど見たことがない。

会議が多い、時間が長い

会議の目的、期待成果が明確ならともかく、それが曖昧で招集だけされるというのもよく経験することだ。「出ておかないとまずいから出る」という感じで、出て何か貢献できるわけでもない。そもそもの発言の機会さえ与えられない会議もよくある。 

差し戻し、やり直しが多い

部下に曖昧な指示しかしていないのに、自分の意に沿うものが自然にできあがることを期待している上司がどれほど多いことか。(略)部下のほうはもちろん困って、何とか上司の考えを探ろうとするが、上司のほうはそもそも自分が何をほしいのかきちんと考えていないし、それは自分の仕事ではないと思っていることも多いので、指示内容を確認する質問すらあまり喜ばない。自分の指示が曖昧なことを棚に上げ、「そんなこと自分で考えろ。給料をもらっているんだろ? 給料!」などと、平気で言ってしまう。

次にこれらが解消され仕事が速くなれば、こんな未来が待っています。

速さが上がれば、頭がよりよく動く

まず、何をどうすべきか早く思い付くようになる。このモードになると、新企画案なども一気にできる。何かのヒントに対して閃きが走る。

次に、言葉がどんどん出てくるようになるので、資料・書類作成が加速度的に速くなる。後輩にびっくりされるほど速く作成できるようになる。

速さが上がれば、PDCAを何度も回すことができる

そうすると時間的にも精神的にも余裕が出てくるので、二回目はゆったりした気持ちで、ただしかなり速くPDCAを回す。ポイントがわかっているので、本当に大事なところだけ確認し、改善しながら加速して回すことができるようになる。

速さが上がれば、やる気が出てくる。

どうにもやる気が出ない。集中できない。そういうなかでやる気を維持しようとする努力は、つらくストレスになる。そういうときは、精度を少し犠牲にしてもいいので、仕事のスピードを大幅に上げてみる。

一部だけですが、いずれでも心当たりがあれば一読してみる価値があると思います。

本書のPoint
■スピードをあげる8つの原則

1:まず全体像を描く。
最終成果は何?
━その成果を出す為の要素は?
━どういうステップを踏んで、成果につなげる?
━どこから手を付けると最も効果的?
━絶対おさえるツボと危ない橋のイメトレを繰り返す。
━自分で全体像を考え、ブレテないか上司にまず確認

2:丁寧にやりすぎない。
━ごく一部に時間をかけすぎると時間が足りなくなり途中から慌てる。
━仕事は丁寧にやることではなく、結果を出すこと。
━本当に意味あるところを集中的に丁寧にすればよい。

3:仕事のツボを押さえる。
━その仕事が成功した、うまくいったという状況を想像し、何度もシミュレーションする。


4:好循環を作る。
━チームでのコミュニケーションの取り方、共通認識、情報共有の仕方等を始めに決め、ムダなストレス、ロスをなくし、
 チームが波に乗ってきたときに更にその波を大きくできるような動きができるようにする。

5:工夫の仕方を工夫する。
(例1)仕事をもっと早くしたい。
→早い人2人、遅い人2人に聞いて、共通点、相違点を整理する。

(例2)単語登録
数百以上の単語登録をしておく。
アドレス、URLも入れておくとスピードアップ。

6:前倒しする。
━全体像を抑える。
━ムダな仕事、不要不急の仕事は切る。
━他の人に頼める仕事は依頼して切り離す。
━自分しかできない仕事に集中し、まずそれだけを片付ける。
━余裕が生まれたら少しつ前倒し。
━3~6か月を目途に仕事全体の段取りを大きく変える。


7:一歩先んじる。
━進むべき方向を人より先に考えておく。
━調べる情報を先に調べておく。
━こちらから崎に会議を設定する。

8:二度手間を全力で避ける。
━あとになるほど立て直せない。
━いい組織、いい上司ほど悪いニュースをすぐに共有する。
■日本のホワイトカラーの生産性の低さの3大要因
1:自分で決定し、推進しきれない人が多い。
2:部門内外の調整につぐ調整。
3:それに伴う膨大・過剰な書類作成。

■生産性向上の鍵はスピード
1:何を書き、どう伝えるべきか、全体像を明確に持つ。
2:顧客ニーズと競合状況、業界動向に通じて説得力のある文章を書く。
3:社内の意思決定プロセスを十分に把握して通しやすい形で効果的に表現する。
4:内容の確認、各部署との調整が素早くできる。
5;上司やその上の上長などの期待を超える提案をする。
単語登録を200〜300個する
メールや書類作成のスピードを大幅にあげるには、単語登録が鍵になる。しかも10個、20個ではなく、200〜300個くらいすると入力が驚異的に速くなり、大変快適に仕事が進む。(略)
例1:「あ」→赤羽雄二
例2:「ぱ」→パワーポイント
例3:「じ」→@xxx.com
例4:「おは」→おはようございます。
例5:「よろ」→よろしくお願いします。
例6:「あけ」→明けましておめでとうございます。
例7:「09」→自分の携帯電話番号  
本書の目次

はじめに
「メモ書き」以外のスピードアップの工夫を全て公開
「速さ」と「早さ」、そして本書のタイトルについて

第1章 速さは全てを解決する

日本人の生産性はなぜ低いのか?
 ●日本人のホワイトカラーの生産性は本当に低いのか?
 ●日本人の生産性を低下させる三大要因
 ●生産性の向上には「スピード」が鍵になる
あなたの仕事が遅い理由
 ●すぐ始めることができない
 ●やるべきことに集中できない
 ●段取りが悪く、後手後手になる
 ●優柔不断、迷う
 ●書類・資料作成が遅い
 ●メールに多くの時間を取られる
 ●会議が多い、時間が長い
 ●差し戻し、やり直しが多い
速さが解決する5つのこと
 ●速さが上がれば、やるべきことにすぐ着手できる
 ●速さが上がれば、頭がよりよく動く
 ●速さが上がれば、PDCAを何度も回すことができる
 ●速さが上がれば、やる気が出てくる
 ●速さが上がれば、実力を出せる
スピードは永遠に上がり続ける
 ●仕事の改善点は無限にある
 ●スピードアップは本質的に楽しいもの

第2章 スピードを上げるための8つの原則
【原則①】まず全体像を描く
【原則②】丁寧にやり過ぎない
【原則③】仕事のツボを押さえる
【原則④】好循環をつくる
【原則⑤】工夫のしかたを工夫する
【原則⑥】前倒しする
【原則⑦】一歩先んじる
【原則⑧】二度手間を全力で避ける

第3章 思考のスピードを上げる具体的な方法
「メモ書き」でゼロ秒思考を目指す
 ●頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング
 ●「メモ書き」はコミュニケーション力を上げる
 ●「メモ書き」で不安ともやもやをなくす
 ●「メモ書き」で頭がよくなる
本当に仕事で使える問題把握力・解決力とは
異次元のスピードをもたらす仮説思考
 ●仮説思考とは
 ●仮説は検証して正解に近づける
 ●仮説思考は誰でもやっていること
 ●仮説思考に慣れる方法
ゼロベース思考にも取り組む
「深掘り」で真実を探求する
 ●全て疑い続ける
 ●自分の頭で考えない人は危険
 ●「深掘り」のポイント
 ●好意と尊敬の念を持って質問する
 ●深掘りのイメージ
フレームワーク作成トレーニング
 ●フレームワークは会議や議論で威力を発揮
 ●フレームワークは練習あるのみ

第4章 スピードと効率を極限まで上げるノウハウ
最も効率的な情報収集法
①毎朝・毎晩30分を情報収集に当てる
②通勤時間は英語か読書を
③ノートPC、大型ディスプレイの活用法
④キュレーションツール、Googleアラート、メルマガ
⑤FacebookとTwitterのタイムラインを活用
⑥記事は全て話半分で読み、必要に応じて裏取りを
⑦検索の表示件数を100にして、別ウィンドウも活用
⑧海外のカンファレンス動画を見る
⑨勉強会・セミナー、その後の懇親会に参加する
⑩展示会にはこまめに行く
⑪最も有益な相談相手の選び方
⑫進んで講演・発表をすることで情報が集まる
⑬半年で目処がつく超効率的英語勉強法

書類・資料作成の時間を最小化する
①「メモ書き」を活用して最善最速で仕上げる
②全体像を上司に確認しつつ進める
③アウトプットイメージ作成アプローチ
④ブラインドタッチとショートカットキー
⑤再利用可能なファイルは、専用フォルダに保存する
⑥ファイルは頻繁に保存し、PCダウンにも備える
⑦ネットを切り、集中して書き上げる

会議はここまで効率化できる
①全ての会議の時間を半分にする
②会議の数、出席者を半減させる
③会議での議論を素早く、効果的に進める
④ホワイトボードで会議の生産性は数倍になる

メールを制する者が時間を制す
①メールはすぐ返信する
②伝えにくいメールでも素早く書く方法
③込み入ったことは直接話す
④単語登録を200〜300個する
⑤メールはカテゴリー別に日付順で一括保管
⑥メールも再利用フォルダに保存する
⑦メーリングリスト、SNSの機能を使い分ける

コミュニケーションのミスをなくす
①丁寧に話を聞くことで、むしろ仕事は速く進む
②伝えるべきことを3、4点メモしてから話す
③伝えるべきことを遠慮せず伝える
④合意した内容を書面で共有する
⑤「上から目線」が諸悪の根源
⑥ポジティブフィードバックに徹する
⑦避けてよい人もいる

おわりに

著者・出版

赤羽雄二(あかば・ゆうじ)


東京大学工学部を1978年に卒業後、小松製作所で建設現場用ダンプトラックの設計・開発に携わる。 1983年よりスタンフォード大学大学院に留学し、機械工学修士、修士上級課程を修了。

1986年、マッキンゼーに入社。経営戦略の立案と実行支援、新組織の設計と導入、マーケティング、新事業立ち上げなど多数のプロジェクトをリード。 1990年にはマッキンゼーソウルオフィスをゼロから立ち上げ、120名強に成長させる原動力となるとともに、韓国企業、特にLGグループの世界的な躍進を支えた。

2002年、「日本発の世界的ベンチャー」を1社でも多く生み出すことを使命としてブレークスルーパートナーズ株式会社を共同創業。 最近は、大企業の経営改革、経営人材育成、新事業創出、オープンイノベーションにも積極的に取り組んでいる。

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