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「徹底的に聞く」技術(日本実業出版社)赤羽雄二

Book Summary
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レビュー

この本で書かれていることを実践できれば、アクティブリスニングができるようになるコミュニケーションの悩みが全て解決すると 『ゼロ秒思考』で有名な著者の赤羽雄二さんと主張されています。

「聞く技術」が近年ビジネススキルとして非常に重視されている。仕事やプライベートのストレスのほとんどが人間関係に起因し、その根本原因は「相手の話を聞けない」点にあることが多いからです。そこで本書では、「ただ聞くこと」や「傾聴」と異なり、徹底的かつ能動的に聞くことで問題を解決する「アクティブリスニング」について書かれています。人が話しているのに待ち切れずに話し始めてしまう人、部下との会話ではほとんど自分が話している上司などは、能動的に聞くことを意識することで改善が見込めるということです。本書では、アクティブリスニングのやり方やさまざまな場面での活用方法、うまく活用するためのステップなどが、具体的で細かく説明されています。

「相手の話をよく聞く」といっても簡単なことではない、著者の言葉を借りれば「全身全霊を傾け」、「心から相手に関心を持ち」、相手の話を聞くことこそがアクティブリスニングであり、本書はそのための指南書なのです。人間は誰しも「話を聞いてもらいたい」「わかってもらいたい」という欲求を持っており、相手の話を徹底的に聞くと、それだけで相手との関係が良好になり、コミュニケーションがうまくいき、トラブルの大半は解決できるのだということです。コロナ禍でオンラインコミュニケーションが増えた今、コミュニケーションの難しさを感じている人は多いのではないだろうと思います。アクティブに相手の話を聞き出す手法を身につけたい方は、一読の価値ありだと思います。

本書のPoint
聞いたつもりの自己満足から脱却するアクティブリスニングのやり方

人の話を聞くことは当然であり、自分はきちんと聞いていると思っている人が大変多いと思います。ところが、実際は聞いたつもりになっているだけで、自己満足に過ぎません。それに気づかず、人とのコミュニケーションで問題を起こしたり、部下に嫌われたり、問題の本質をつかめなかったりします。

1.まずは本気で相手に関心をもつ(一期一会の精神)
2.他のことは一切頭から排除し100%相手の話を聞く
3.躊躇せず質問をする(質問の内容は相手の話に対して適切なもの)
4.質問で相手のエネルギーの上下を見て、質問の深堀りを行う


■「ひたすら聞く、相づちを打ちながら聞く」ためのポイント

1. 相手の言葉に集中し、できる限りそのまま理解する
2. 余計なことを考えず、相手の言葉そのものの理解に努める
3. 可能な場合は、メモを取る。発言内容をできるかぎり書き留める
4. 適度で自然な相づちで話し相手の気持ちを高める
5. 調べられることは全部調べた上で、適切な疑問をぶつける

■ ソフトに、躊躇なく質問するためのポイント

1. 「疑問があったら躊躇なく質問する」ことを自分の方針にする
2. 相手に関心、好奇心を持つ
3. 相手が一瞬止まった瞬間に間髪入れず質問する
4. 相手の反応がポジティブなら次々に質問していく
5. 相手の反応がいまいちなら、しばらく聞くことに徹する
6. 部下の話を聞くときは、萎縮せずに話しかけられるようになった後、気をつけながら質問する
7. お客さまの話を聞くときは、本音をなるべく引き出すように質問する
8. 目上の方の話を聞くときは、できるだけ気持ちよく話していただくように質問する

本書の目次

はじめに〜「アクティブリスニング」はすべての悩みを解決する〜
第1章 実例:アクティブリスニングとは
第2章 人間関係を好転させるアクティブリスニング
第3章 部下のやる気を引き出すアクティブリスニング
第4章 アクティブリスニングすると、問題の全体像が把握できる
第5章 アクティブリスニングするだけで、問題が解決できる
第6章 アクティブリスニングのやり方 質問、深掘り、まとめ、A4メモ書き
第7章 状況別アクティブリスニング 一対一ミーティング、チームミーティング、取材、営業
第8章 アクティブリスニングをマスターするには?
第9章 ロールプレイングで、相手の立場が見えるようになる
第10章 ポジティブフィードバックで効果をさらに高める
第11章 アクティブリスニングを社内、クライアントで広めるには
    —ロールプレイング、アイデアメモの活用
第12章 リモートワークでのアクティブリスニング
第13章 アクティブリスニング後、きちんとフォローする
おわりに〜「アクティブリスニング」で仕事もプライベートも快適〜

著者・出版

赤羽雄二(あかば・ゆうじ)


東京大学工学部を1978年に卒業後、小松製作所で建設現場用ダンプトラックの設計・開発に携わる。 1983年よりスタンフォード大学大学院に留学し、機械工学修士、修士上級課程を修了。

1986年、マッキンゼーに入社。経営戦略の立案と実行支援、新組織の設計と導入、マーケティング、新事業立ち上げなど多数のプロジェクトをリード。 1990年にはマッキンゼーソウルオフィスをゼロから立ち上げ、120名強に成長させる原動力となるとともに、韓国企業、特にLGグループの世界的な躍進を支えた。

2002年、「日本発の世界的ベンチャー」を1社でも多く生み出すことを使命としてブレークスルーパートナーズ株式会社を共同創業。 最近は、大企業の経営改革、経営人材育成、新事業創出、オープンイノベーションにも積極的に取り組んでいる。

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