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超ファシリテーション力(アスコム)平石 直之

Book Summary
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レビュー

なぜ今、ファシリテーション力が注目されているか?

  • コロナで人の関係が希薄になっており、目的が共有されている会議やコミュニティの場でも人と人を繋げ目的を達成を促進する役割が必要になっている
  • 人の集まる場の価値が上がっており、その場を如何に有意義にするかが大切になっている
  • 多様性が重要になってきており、多様な人材を纏めて、一つの成果を生み出すことが求められている


現役アナウンサーが議論をまとめ円滑に会議を進めるための心得とテクニックを紹介している一冊。ファシリテーションの基本的な考え方と、すぐに使えるテクニックをが書かれており、会議のまとめ役や司会をする人に役立つ内容になっています。 円滑に会議を促進することがファシリテーターの役割であり、そのためには以下の3つの力が必要になるという話が分かりやすく解説されています。

①準備力
まずは何よりも「準備」。参加者は何人で、どんな顔ぶれなのか。目的、時間、会場などを確認し、必要な情報を1つ1つ集めて、整理していく作業を始める。商談などの場合には、取引先のホームページやSNS、記事などで最近の動向をチェックする。次に、その人にとって「これだけは言いたい」というコアな主張をしっかりと話して頂き、一方でファシリテーターとして「これだけは聞きたい」ことをきちんと聞くという「芯を外さない進行」を頭の中でイメージする。その上で、参加者の本音をどう引き出し、他の参加者との間でどのように議論を盛り上げていくかを事前にシュミレートしておくことが大切である。

②聞く力
実際に会議が始まった後は、準備してきたことを一旦すべて脇に置いて、目の前の議論に全エネルギーを集中させる。テーマと狙いを説明した後、参加者の言葉に全力で耳を傾け、その主張や空気を受け止めながら議論を展開させていく。ファシリテーターは受け身のポジションを取りながら、参加者の言葉を拾って補足し、軌道修正し、「芯を外さない進行」を実現させていく。ここでは、自分が何を言いたいかではなく、いかに参加者の言葉を受け止めるかが重要である。

③場を作る力
会議をイキイキとしたものにし、議論を活性化させるために、ファシリテーターに欠かせないことが「ムード作り」である。参加者たちが緊張や警戒をしながら話すのか、本音で話してくれるのかでは、議論の深みや成果に大きな違いが出る。アイスブレイクの会話で緊張を解きほぐし、時に自分自身の身を削り、ゲストの背中を優しく押してあげながら、あの手この手で自由に本音を話せるムードを作る。

本書のPoint
相手にとって話しやすい雰囲気を作るポイントは?

「反復」、「要約」、「同調」が重要です。ファシリテーターは、参加者にとってベストな環境を整え、気分を乗せていくことが求められます。発言者にとって一番辛いことは、発言を聞いてもらえなかったり、正しく理解してもらえないことであり、ファシリテーターは拡声器や翻訳機のように、下記「反復」、「要約」、「同調」を用いて、話しやすい雰囲気を作り出しましょう。
 【反復】:相手の言葉繰り返して、それが重要なポイントであることを伝えること
 【要約】:発言者の意図を噛み砕き、再確認して、発言の重要度を強調すること
 【同調】:発言者に対する同意を表し、発言者の心理的安全性を確保すること
話し合いを円滑に進めるコツ

(1) 会議の出だしをスムーズにする
序盤は誰しもがアイドリング状態であり、場の雰囲気をうかがってしまうので、序盤にどれだけ意見を言わせることができるのかが、その後の議論の深さを決定します。序盤は議論の材料を集める時間に当てるべきで、そうする為には、参加者に「安心して話せる場である」と認識してもらうことが重要です。ファシリテーターは、明るい表情を意識し、声のトーンをあげるだけでなく、相槌などのリアクションも普段より大きめにとって、その場のムードを作っていきましょう。

また、その場にいない第三者の意見を借りることも有効です。参加者の多い会議は緊張感が高まり、探り合いのような空気が漂いがちです。こういった場合は、「いま、こんなツイートが注目されています」などのように、第三者の意見を呼び水として利用しましょう。または、参加者全員と面識がありそうな人から発言を促すことも有効です。よく知っている人が口火を切ってくれれば、他の参加者も意見がしやすくなり、議論が回り始めます。

(2) 誰もが自由に意見を言いやすいムードを作る
不意打ちは禁止。それぞれに必ず意見を求めることを事前に伝えておき、「全員参加感」を出す。よほど話し慣れている人でない限り、突然話を振られてもいい意見はでず、無理矢理何かを言わされた経験をしてしまうとむしろ二度とその会議には参加したくなくなるでしょう。
一人一人に出番があることを事前に宣言しておくことで参加者の集中力と参加意欲が高まり、結果として、多様な意見が飛び交う有意義な会議が出来上がります。

(3)話があちこちに移ってしまい議論が迷子になったら原点回帰
会議の目的に立ち返り、論点を再提示しましょう。枝分かれしていく全体の構図とそれぞれの論点について頭に入れ、テーマに沿ったいま議論すべき階層を常に意識しましょう。また、参加者からでた意見が「事実」なのか「意見」なのかを判断し、「事実」をもとに議論を進めましょう。そうすること、思わぬ方向に議論が進んでも、胸を張って軌道修正できます。
ファシリテーションは準備が9割

準備すべき要素を書き出し、優先度の高いものから着手する
やみくもに準備に取り掛かるのではなく、本番までに準備すべきことを全て書き出したうえで、優先順位の高いことから順にはじめていきましょう。特に優先度が高いのは、会議のキモになる要素の情報収集や会議の中心人物や初参加者の情報で、そういったものから取り掛かります。
会議が不安な場合は、このような事前準備をしっかり行うことに加えて、始まる前に不慣れな旨を伝えるロビイングも有効です。

論点整理に欠かせない要約のこつは「見出し」を考える
全ての情報を頭に入れようとすると何が重要なのかわからなくなり混乱します。情報の中で、大切な要素を抽出・整理し見出しのように要約して、頭の中をスッキリさせた状態で会議に臨みましょう。

会議の前には声を出す練習を
声の出し方そのものが、場のムードを作る強いツールになります。会議の本番がその日の第一声とならないように、会議前に積極的に雑談などをして、声の調子をあげましょう。
本書の目次

第1章 ファシリテーターの心得

第2章 話し合いを円滑に進めるコツ

第3章 ファシリテーションは準備が9割

第4章 即使える!キラーフレーズ集

著者・出版

平石 直之(ひらいし なおゆき)

生年月日: 1974年08月18日
学歴: 早稲田大学政治経済学部 卒業
職歴: 1997年 テレビ朝日

テレビ朝日アナウンサー 「ABEMA Prime」の進行を担当。 大学後、テレビ朝日に入社。報道・情報番組を中心に、「地球まるごとTV」「やじうまテレビ! 」などでMCを務め、「ニュースステーション」「スーパーJチャンネル」「サンデー・フロントライン」「報道ステーション」などでは、キャスターおよびフィールドリポーターとして全国各地を飛び回る。 2004年6月から1年間、ニューヨーク支局に勤務し、イチロー選手(当時)が年間最多安打記録を打ち立てた歴史的な試合や、アメリカ大統領選を取材。

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