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数字は人格(ダイヤモンド社)小山昇

Book Summary
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レビュー

「自分はもともと数字が苦手。いまからやっても遅い」
「うちの社員はレベルが低い。数字を教えるなんて無理だ」
「数字は人格」というと、多くの社長はこういってサジを投げます。しかし、本当にそうでしょうか?

おそらく学校時代に習った数学の影響で数字に苦手意識を持つのかもしれませんが、学校で習う数学と経営の数字はまったく別ものです。経営判断において難しい計算は不要。足し算と引き算ができれば十分です。わけのわからない財務指標を覚える必要もありません。あれはコンサルタントが自分を賢く見せるためにつくった数字であって、実務では役に立たない。社長が絶対に見なければいけないのは、キャッシュの額と、それをつくるのに必要な数字だけ。それ以外はオマケです。ツボとなる数字を押さえて回数をこなせば、誰でも数字に強くなれます。
本書ではそれをすべて公開します。

もうひとつ、数字の見方について重要なことをお伝えしましょう。 それは「数字は行動を変えるために見る」ことです。 会社を変えるには、社長が「決断」して「行動」する。 数字は、あくまでも決断と行動を促すためのきっかけにすぎません。 数字は道具で、そこそこ使えれば雑でもいい。 道具に凝りすぎて決断や行動が遅れるよりマシです。本書は会計や財務の専門知識を紹介する本ではなく、 社長と幹部が数字を使って自分自身や社員を変え、 会社からお金が出ていかずに稼げる体質へと変えるための本です。

本書のPoint
■いざというときに頼りになるのはキャッシュ
会社経営においては、『数字が人格』『お金が愛』大事なことは、いざというときに困らないだけのキャッシュを持つ、キャッシュをつくるための数字を理解する。この2つさえできれば、会社をつぶさず、社員を幸せに出来る。
 
■借金は、することが正しい
キャッシュが少ないといざというときに社員を救ったり、投資、M&Aするときにお金を使えない。キャッシュが潤沢でないと積極的投資が出来ず、未来のメシのタネが生めない。無借金は理想どころか、むしろ悪、社長の犯罪。
 
■経営は『率』ではなく、『額』
 
■数字は行動を変えるために見る
会社を変えるのは、社長が決断して行動すること。数字は、決断と行動を促すきっかけ。
 
 ■投資先は3つだけ。投資対象はあくまで自社
1番目は、お客様の数を増やす。
2番目は、社員教育。
3番目は、インフラ整備。
この3つに適切に投資していけば、会社は継続的に成長する。
 
■借金とは金利で時間を買うこと
キャッシュを作る方法は、①事業で利益を出す ②減価償却する ③銀行から借り入れる。の3つしかない。個人の感覚で投資のことを考えたら、成長がとまる。会社は、借金してキャッシュを持ち、それを未来に投資することが正しい。
 
■銀行がお金を貸したくなる体質の会社
・経営計画書:会社のルール(規定・規則・方針)と目指すべき数字(事業構想・経営目標・利益計画)を明記したもの。
・経営計画発表会:全社員に期のはじめに経営計画を発表する会。
・銀行訪問:銀行に定期的に報告。
の3点セット。

■赤字部門を黒字化する秘策
赤字対策として正しいのは人やお金を減らすこと。社長が決断すべきは事業の縮小。事業が赤字になる原因は大抵売上不振→販促をかけて売上増を狙うのが多い。確かにそれで黒字転換できる可能性はあるが、数年続いている赤字事業に新たに人や金をつぎ込むのは愚策。赤字事業につぎ込むリソースがあるなら黒字事業に人とお金を回す。そのほうが全体の利益は増える。赤字事業と黒字事業に同じ人と金をつぎ込んだら、黒字事業のほうが利益の伸びは大きい。
赤字事業の立て直しより、黒字事業の拡大にリソースを使うことが正しい。赤字事業は撤退もしくは縮小して、黒字事業に人やお金を振り返るのが経営の基本。

本書の目次

☆プロローグ:数字が人格、お金が愛
●出張中社員が中国で突如入院! 1500万円で飛行機をチャーター
●お金を持っている社長だけが〝人格者〟
●借金は、することが正しい
●経営は「率」ではなく「額」

☆第1章:会社の命運は「キャッシュ」が握っている
●なぜキャッシュは〝月商の3か月分〟必要なのか
●投資先は「顧客増」「社員教育」「IT投資」の3つだけ
●借金とは、金利で〝時間を買う〟こと
●会社は「借金まみれ、モノ持ち悪い」が正しい

☆第2章:銀行から無担保・無保証で借りる3つの方法
●“定性情報3点セット”で、銀行の評価がアップする
●銀行は「この項目」を最も重視している!
●金利1.88%が0.8%に! 個人保証も外れたワケ

☆第3章:社長は「B/S」のココだけ見ていればいい
●B/Sを知っているだけで、見える景色が180度違う
●勘定科目を知る第一歩は「転記」から
●B/Sは〝異常値〟だけチェックすればいい
●「資産は上へ、負債は下へ」が社長の仕事

☆第4章:赤字から黒字へ! 「数字は人格」でV字回復
●P/Lの逆算で会社を守れ
●事業の撤退はゆっくり、少しずつ
●ひとつだけ、常に赤字事業を温存する理由
●赤字は「事業承継」の千載一遇のチャンス
●売上増は「客単価アップ」より「客数増」から
●新規事業に踏み切るサインはこう見抜く
●お客様は数字で「区別」しても「差別」しない
●〝爆成長〟している整骨院の一石二鳥戦略
●なぜ、月500万円のJR新宿ミライナタワーを借りたのか?
●値上げのインパクトを減らすテクニック

☆第5章:社員を「数字」で育てる
●数字のスと字を聞けば、スーっといなくなる社員はこう鍛える
●数字はそれだけで言葉……1分間で3テーマを報告できる理由
●データネイチャー大会は〝ホラ吹き大会〟でもいい
●社員のキャラを数値化して配属に活かす
●残業時間3分の1、売上128.5%の謎
●コミュニケーション=「情報」×「感情」
●健康を“数値化”して会社を守る

著者・出版

小山 昇Koyama Noboru


株式会社武蔵野 代表取締役社長
1948年山梨県に生まれ、東京経済大学卒業。
1977年に株式会社ベリーを設立し社長に就任、1989年に現職に就任。
1990年、株式会社ダスキンの顧問に就任。1992年顧問を退任、現在に至る。
全国の経営者でつくる「経営研究会」主催。
株式会社武蔵野は2000年日本経営品質賞、2010年国内初日本経営品質賞2度目の受賞。
現在パートナー会員720社以上の会員企業を指導、日本経営品質賞受賞の軌跡、中小企業のIT戦略、実践経営塾、実践幹部塾と、全国で年間240回以上のセミナーを行なっており、講演は明日からの仕事に役立つように、と実務を中心に展開される。

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