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天才 (幻冬舎) 石原慎太郎

Book Summary
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レビュー

伝説の人たらし・田中角栄が「冠婚葬祭」で最も重視した行事

<伝説>
田中角栄における「10倍の哲学」とは、なかなか有効性のあるものだという話である。読者諸賢すでにご案内のように、見事にカネを切って見せるのが田中の大きな持ち味であった。カネが切れるとは、生きたカネを使うということである。カネは、魔物である。上手に使えば相手の感謝を得るが、ケチも含めて下手な使い方をすれば、相手からの反感を買うことのほうが強くなる。 そうしたなか、田中はしばしば「10倍の哲学」を駆使し、相手を取り込んでいたのである。例えば、香典にしろ、見舞い金にしろ、議員への支援金にせよ、誰もがこの程度の金額だろうとしているモノを出しても、これは“平凡”である。2倍上積みして出せば、相手は「えっ……」ということで、感謝の度合いやその人への関心もやや高まることになる。しかし、ドーンと目の前に予想だにしなかった10倍のカネを積まれたらどうなるか。「おお、これは……」で相手は目を剥き、人間は驚くと改めて対象物を凝視するという性癖を露わにすることになる。

高等小学校卒という学歴ながら『日本列島改造論』を引っ提げて総理大臣に就任。比類なき決断力と実行力で大計の日中国交正常化を実現し、関越自動車道や上越新幹線を整備、生涯に30以上の議員立法を成立させるなど、激動の戦後政治を牽引した田中角栄。その経歴から総理就任時には「庶民宰相」「今太閤」と国民に持てはやされ、戦後では最高の内閣支持率を得たが、常識を超える金権体質を糾弾され、総理を辞任。その後、ロッキード事件で受託収賄罪に問われて有罪判決を受けるも、100名以上の国会議員が所属する派閥を率い、大平・鈴木・中曽根内閣の誕生に影 響力を行使。

長らく「闇将軍」「キングメーカー」として政界に君臨した。

そんな希代の政治家・田中角栄といえば、類まれな権謀術数と人心掌握術に注目が集まるが、実はスケールが大きいわりに人一倍デリケートな一面があった。浪花節と映画をこよなく愛する、家族思いの人情家だったという。強烈な個性をもったリーダーが不在の今、自らも政治家として田中角栄と相まみえた著者が、毀誉褒貶半ばするその真の姿を「田中角栄」のモノローグで描く意欲作。

数字に強い、駆け引きが上手い、義理人情を欠かさない。それが高等小学校出の男が伸し上がる武器だった――。

本書のPoint
本書のあらすじ

高等小学校卒という学歴ながら『日本列島改造論』を引っ提げて総理大臣に就任。比類なき決断力と実行力で大計の日中国交正常化を実現し、関越自動車道や上越新幹線を整備、生涯に30以上の議員立法を成立させるなど、激動の戦後政治を牽引した田中角栄。
その経歴から総理就任時には「庶民宰相」「今太閤」と国民に持てはやされ、戦後では最高の内閣支持率を得たが、常識を超える金権体質を糾弾され、総理を辞任。その後、ロッキード事件で受託収賄罪に問われて有罪判決を受けるも、100名以上の国会議員が所属する派閥を率い、大平・鈴木・中曽根内閣の誕生に影響力を行使。長らく「闇将軍」「キングメーカー」として政界に君臨した。

そんな希代の政治家・田中角栄といえば、類まれな権謀術数と人心掌握術に注目が集まるが、実はスケールが大きいわりに人一倍デリケートな一面があった。浪花節と映画をこよなく愛する、家族思いの人情家だったという。
強烈な個性をもったリーダーが不在の今、自らも政治家として田中角栄と相まみえた著者が、毀誉褒貶半ばするその真の姿を「田中角栄」のモノローグで描く意欲作。

著者・出版

石原 慎太郎(いしはら しんたろう)


日本の作家・政治家。 参議院議員、環境庁長官、運輸大臣、東京都知事、衆議院議員、日本維新の会代表、共同代表、次世代の党最高顧問を歴任。
出生地: 兵庫県 神戸市 須磨区
生年月日: 1932年9月30日
死亡日: 2022年2月1日, 東京都 大田区
配偶者: 石原典子 (1955年から)
子女: 石原良純、 石原伸晃、 石原延啓、 石原宏高
身長: 181 cm

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