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すずめの戸締まり(角川文庫)新海誠

Book Summary
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レビュー

扉の向こうにはすべての時間があった。新海誠自らが綴る原作小説!

九州の静かな港町で叔母と暮らす17歳の少女がある日の登校中、美しい青年とすれ違った。「扉を探してるんだ」という彼を追って、山中の廃墟へと辿りつく。しかしそこにあったのは、崩壊から取り残されたように、ぽつんとたたずむ古ぼけた白い扉だけ。何かに引き寄せられるように、鈴芽はその扉に手を伸ばすが……。

やがて、日本各地で次々に開き始める扉。その向こう側からは災いが訪れてしまうため、開いた扉は閉めなければいけないのだという。―――星と、夕陽と、朝の空と。迷い込んだその場所には、すべての時間が溶けあったような、空があった―――不思議な扉に導かれ、すずめの“戸締まりの旅”がはじまる。新海誠監督が自ら執筆した、原作小説!

▼「すずめの戸締り」の主なキャラクター

  • 岩戸鈴芽(いわとすずめ) …九州で叔母と二人暮らしの17歳の女子高校生。
  • 宗像草太(むなかたそうた)…”扉”を閉める「閉じ師」で”扉”を探す旅をしている。
  • ダイジン… ”扉”が開く場所に出没し人の言葉を話す謎の白いネコ
  • すずめのイス…すずめが子供の頃に使っていた母が作った形見となったイス。ダイジンにより草太がイスに姿を変えられてしまう。1本脚の折れ3本足で動きまわる。日本の各地に”戸締り”の旅をするという設定で大きく次のように分かれています。
  1. 一日目:宮崎県
  2. 二日目:愛媛県
  3. 三日目:兵庫県
  4. 四日目:東京
  5. 五日目:宮城県
  6. ラスト:常世



<要石について思うこと>
大地震を封じるためにミミズ(地震)に要石に込められたメッセージは何か考えてみると、誰かを守ろうとする魂そのものというストーリーなのだと思います。  世界を救うために大きな事を成し遂げようとしているのに、その行動原理は好きな人に会いたいという想いということから学び・気づきは多かったと思っています。「情けは人のためならず」や「互恵的利他主義(ごけいてきりたしゅぎ)」は、その都度の行動だけを見れば利他的行動だが、長期的には利己的行動と見なせるという言葉である。私は周りの人を巻き込みながら進んでいくスズメとソウタのストーリーに、この言葉を重ねてみていた。我々が誰かのためにした行動は、綺麗ごとではない、合理的な行動なのだと改めて感じさせてくれる映画でした。

本書の目次

一日目:宮崎県
二日目:愛媛県
三日目:兵庫県
四日目:東京
五日目:宮城県
ラスト:常世

著者・出版

新海 誠(しんかい まこと)

1973年長野県生まれ。アニメーション監督。2002年、ほぼ1人で制作した短編アニメーション『ほしのこえ』で注目を集め、以降『雲のむこう、約束の場所』『秒速5センチメートル』『星を追う子ども』『言の葉の庭』を発表し、国内外で数々の賞を受ける。自身の監督作を小説化した『小説 秒速5センチメートル』『小説 言の葉の庭』も高く評価された。2016年公開の映画『君の名は。』は社会現象となる大ヒット。自ら執筆した『小説 君の名は。』も170万部を超えるベストセラーとなった。

中央大学文学部卒業。アメリカ合衆国の雑誌『バラエティ』は、2016年に新海を「注目すべきアニメーター10人」のうちの1人に挙げている。2019年、第1回野間出版文化賞受賞。妻は女優の三坂知絵子、娘は子役の新津ちせ。

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