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最強リーダーの「話す力」(Discover21)矢野香

Book Summary
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レビュー

「 この人はついていきたい」と、あなたがそう思うのは、どんな人ですか?
本書は、リーダーにはリーダーたらしめる「話し方」があると提起し、だれから見てもリーダーらしく見える「話し方」の習得方法を解説する一冊です。著者は、『影響力を持ち、行動を促す話し方』こそがリーダーの話し方だといいます。

この話し方を身につけるために、習得するべきポイントは5つ。
Point1:注目を集める
Point2:高揚感を高める
Point3:信頼感を与える
Point4:基準を示す
Point5:器の大きさを見せる

順を追って、ポイントごとに意識すべきこと、実践すべきことがまとめられています。 講座テキストのように構成されているので、自分のペースで学習することができます。「話し方」をモノにするまでは、モノにした”ふり”をする。 要するに、”ふり”をしているうちに、本当になっちゃうという戦略です。”ふり”の仕方に特化しているのが本書最大の特徴です。一言でいうとなりたい自分になりきりましょう。「話し方」が、あなたを”本物のリーダー”に押し上げます。なりたいリーダーに向けて、徹底的に”ふり”をしましょう!

<3つの行動ポイント>
①なりたいリーダー像を詳細かつ具体的に設定する
②なりたいリーダー像に近いロールモデルを決める
③ロールモデルを分析し、徹底的に真似て成り切る練習をする

本書のPoint
■Point1:注目を集める
(1)登場を制する
(2)まばたきせずに名乗る
(3)レトリカル・クエスチョン(答えを求めない問い)を投げかける
(4)沈黙する
(5)キーフレーズを刻み込む

リーダーの視線は、「一文・一方向」です。 一つの文章を話し終わるまでは、視線を一方向に固定します。 扇風機の首振りのように左右を見回すのではなく、縦の線を意識します。 「同じ方向の奥〜手前」にアイコンタクトを送ります。 視線の向きと角度は変えず、奥行きを変えるイメージです。
Point2:高揚感を高める
「皆さん」ではなく「あなた」という言葉を用いると、聞き手は自分に向けて呼びかけられている気持ちになります。さらに高揚感が高まります。 程良い緊張感が生まれ、より効果が高まります。 リーダーであるあなたは、実際の感情、つまり「素の自分」が抱いた本当の感情をそのままむき出しにしてはいけません。うれしいから喜ぶ、腹が立ったから怒る、ではいけないわけです。

感情と理性のバランスをコントロールするには、聞き手の眠っている感情を刺激するのが有効です。 つまり、思い出させるのです。 思い出させる内容は「恩」と「誇り」と「怒り」の3つです。
Point3:信頼感を与える
事前分析には確認すべき5つの対象があります。 ここでは、それぞれの頭文字を取って「3P2M」と呼ぶことにします。
・P=People(相手・聞き手は誰か?)
・P=Purpose(話す目的は何か?)
・P=Place(場所・設備・状況は?)
・M=Merit(相手が話を聞くメリットは何か?)
・M=Main message(メインメッセージは何にすべきか?)
分かりやすく正確に情報を伝えるだけでは人は動きません。 なぜそうすべきかという必要性を示し、相手が自ら行動を変えたくなるよう促すのが、リーダーの伝え方です。
■Point4:基準を示す
主語は必ず自分にします。その上で 能動態で、シンプルに言い切ることが大切です。
基準を示すうえでもこの原則に従って語ります。リーダーとして本気であることを伝えるためには、主語を明確にして約束をすることで相手に安心感を与える必要があります。 さらに、主語を明確にしないまま約束してしまうと、その組織が約束したのか、自分自身が約束したのかが、聞き手に勝手に解釈されかねません。
そこでおすすめしたいのは、「私が○○○(肩書き)として皆さんにお約束できること・・・」という公文を使うこと。
Point5:器の大きさを見せる
なりたいリーダーのイメージを言語化することをおすすめしました。 「器の大きさ」を感じさせるリーダーのイメージを表したおすすめの言葉です。 それが「こわあたたかさ」です。 これは「怖い」と「温かい」を組み合わせた私の造語です。 リーダーは、怖いだけでも、温かいだけでも不足です。 言葉にどの程度の『体温』と『体重』を乗せられるか。 それが、その人の「器の大きさ」であるともいえるでしょう。
本書の目次

第1章 リーダーの話し方は「これだけ」やればいい
0 「話す力」には3つの階層がある
1 セルフ・パペットとは ?
2 なりたいリーダー像をセルフ・パペットに設定する
3 「話す力」を身につければ、なりたい理想のリーダーになれる

第2章 注目を集める
0 「注目を集める」ための5つのスキル
1 登場を制する  注目を集めるスキル①
2 まばたきせずに名乗る  注目を集めるスキル②
3 レトリカル・クエスチョンを投げかける  注目を集めるスキル③
4 沈黙する  注目を集めるスキル④
5 キーフレーズを刻み込む  注目を集めるスキル⑤

第3章 高揚感を高める
0 「高揚感を高める」ための3つのメソッド
1 対極に置く  高揚感を高めるメソッド①
2 思い出させる  高揚感を高めるメソッド②
3 声のエネルギーを変える  高揚感を高めるメソッド③
4 高揚感を高めるトレーニング

第4章 信頼感を与える
0 「信頼感を与える」ための事前分析(3P2M)
1 People――聞き手を分析する  事前分析①
2 Purpose――目的を分析する  事前分析②
3 Place――場所・設備・状況を分析する  事前分析③
4 Merit――「三方よし」になっているか  事前分析④
5 Main message――メインメッセージの確認  事前分析⑤
6 「信頼感を与える」ための表現マネジメント

第5章 基準を示す
0 基準を示せば、みんな自由に動ける
1 判断基準を明確に示す  リーダーの言葉づかい①
2 能動態で語る  リーダーの言葉づかい②
3 言い切る  リーダーの言葉づかい③
4 定義する  リーダーの言葉づかい④
5 約束する  リーダーの言葉づかい⑤
6 黒を白とさえ言い切れる強さを出せる「アファメーション」

第6章 器の大きさを見せる
0 リーダーは「こわあたたかく」あれ
1 予想外の「まさか ! 」をつくる
2 弱みを見せる
3 プライベートの感情をあえて隠さずに見せる

著者・出版

矢野 香 (やの・かおり)


国立大学法人長崎大学准教授。スピーチコンサルタント。専門は、心理学・コミュニケーション論。 NHKでのキャスター歴17年。おもにニュース報道番組を担当し、番組視聴率20%超えを記録。NHK在局中からスピーチ研究に取り組み、博士号取得。大学教員として研究をつづけながら「信頼を勝ち取る正統派スピーチ」を伝授。クライアントには、大手上場企業役員、経営者、政治家などエグゼクティブクラスのリーダーが名を連ねる。記者会見や株主総会、政治家の演説、有識者・著者の講演やメディア出演など、「ここぞ」という失敗できない場面を成功に導く実践的な指導に定評がある。著書に『その話し方では軽すぎます!――エグゼクティブが鍛えている「人前で話す技法」』(すばる舎) 、『【NHK式+心理学】一分で一生の信頼を勝ち取る法―NHK式7つのルール― 』(ダイヤモンド社)などベストセラー多数。

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