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フェルミ推定の教科書(kindle)高田 泰介

Book Summary
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レビュー

本書では、マッキンゼーやBCGなどをはじめとする難関コンサルティング企業の採用面接で出題される「フェルミ推定問題」の解法を示しております。本書の内容は、実際に数多くのコンサルティング企業の選考に参加・通過した筆者自身の体験に基づいて書かれています。したがって、類書にみられるような「満点答案」ではなく、本番の選考の場で短時間で考えられた「合格答案」が収録されているという点が本書の魅力です。

フェルミ推定の定義とは?
1つめの定義は、「 感覚的に予測するのが難しい数値を推定する」 という 性質 です。 フェルミ 推定問題 では「 なんとなく」 で 予想 することができない、とらえどころのない数量の推定を求められることがほとんど です。 例えば、「 日本全国 にあるマンホール の数は?」フェルミ推定と呼べますが、 「家にある歯ブラシの本数は?」 フェルミ推定とは呼べません。

2つめの定義は、「論理的に推定する」という性質です。フェルミ推定は、予想が難しい数値を、「自分の知っている知識や感覚的に予想可能な数値」と結びつけることで推定する、きわめて論理的な思考が必要になります。例えば「マンホールの数は…人の数と一緒くらいだから、1億個!」というのはフェルミ推定とは呼べません。

3つめの定義は、「概算する」という性質です。フェルミ推定では、前述のとおり「感覚的に予想するのが難しい数値を」「論理的に求める」ことを本質とするため、その正確性については問われない、という特徴があります。

本書のPoint
■フェルミ推定の解答手順

STEP1
前提確認まず、前提確認を行いましょう。コンサルティングファームの面接で出題されるフェルミ推定問題は設定があいまいなものが多く、そういった場合には解答に必要な情報を面接官に質問するか、自分で設定する必要があります。したがって、いきなり問題を解き始めるのでなく、最初のステップとして必要な初期情報を整理することが推奨されます。
特になのが、「対象範囲の確認」と「言葉の定義の確認」です。「対象範囲の確認」とは、問題において求めるべき値がどの範囲にわたるかを画定することです。例えば、「コインロッカーの売上を求めよ」という問題を与えられたとします。しかし、ここで議論するコインロッカーが「全国のコインロッカー」を指すのか「特定の場所にあるコインロッカー」を指すのかが分かりません。

STEP2
要素分解定義や対象範囲の確認ができたら、いよいよ解答作業に入ります。この「要素分解」の作業が、最も重要かつ本質的な部分です。要素分解のステップでは、対象の数値を式に分解し、より推定しやすい数値の組み合わせに変形していきます。そして、その分解した要素のひとつひとつを、さらに細かく分解していくことになります。数値を式分解する際のアプローチ方法には、主に「かけ算」と「たし算」の二つがあります。もちろん、四則演算なので「ひき算」や「わり算」もありえますが、これらはそれぞれたし算・かけ算に式変形できるので、「かけ算」「たし算」の二つのみ使えれば問題ありません

STEP3
数値代入要素分解が進み、すべての要素が「知っている数値」または「感覚的に推定可能な数値」のどちらかにあてはまる状態になったら、最後に数値を代入し、計算を実行します。一般に、分解し終わるまで数値は代入せず、最後にまとめて行ったほうが効率がよいです。

STEP4
検証採用面接では稀に、面接官から算出した数値の妥当性・現実性を検証するよう求められることがあります。自分の求めた数値が現実的なものであるかを判定し、もしそうでない場合はどこで計算が狂ったかを特定する必要があります。この際には、「正しく式を立てられていたか(正しく分解できていたか)」「代入した数値それぞれが実際の数値と大きく離れていなかったか」という2つの視点から自分の式を見直すことが重要です。いわゆる検算ですね。
本書の目次

【第1章 理論編】
・フェルミ推定とは
・フェルミ推定を習得する意義
・フェルミ推定の本質
・採用面接の流れ
・面接における評価基準

【第2章 解法編】
・フェルミ推定の解答手順
・フェルミ推定の解答テクニック – 「基本方程式」「需給交換」「”時”の忘却」「リミット」「回転重複」「母集団」「can-do」「プロセス」「セグメンテーション」「はさみうち」

【第3章 演習編】
・問題(1) トイレットペーパーの1日の使用量は?
・問題(2) 家庭用電球の年間売上は?
・問題(3) 日本全国にある自動車の台数は?
・問題(4) シカゴにいるピアノ調律師の数は?
・問題(5) 世界中で現在寝ている人の数は?
・問題(6) 日本における野球の競技人口の数は?
・問題(7) 一日に画面が破損するスマートフォンの数は?
・問題(8) 家系ラーメン屋の一日の売上は?
・問題(9)  箱根にある温泉旅館の年間売上は?
・問題(10) 三田商店街にある全飲食店の1日の売上合計は?

著者・出版

高田 泰介

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