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読書を仕事につなげる技術(角川文庫)山口周

Book Summary
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レビュー

「読書はそれなりにしているのに、いまひとつ仕事につなげられない」という人は、インプットの「量」ではなく、インプット「後」の情報の整理や貯蔵法、それらを組み合わせる力に問題があるのです。ではどうすればいいのか、この記事では、読書を仕事につなげる技術のうち、2つのポイントにまとめられています。

・ビジネス書=狭く、深く
・教養書=広く、浅く

 理由は、ビジネス書は「定番・名著」といわれる本の数がそれほどないので、基本的にそれらの定番・名著を押さえておけばたいがいの場合は大丈夫だからです。狭い範囲を繰り返し読むので忘れるおそれがなく、内容はビジネスに対する示唆に直結しているのです。一方で、教養、リベラルアーツ関連書籍については、ビジネス書と真逆です。「定番・名著」といわれるものが確定しているのは共通ですが、ジャンルが多岐にわるために、定番・名著をすべて読むのは物理的に不可能です。また、内容がすぐには仕事に直結しません。たとえば哲学で、カントの思想を学んでも、いきなり目の前の売り上げを500万円アップさせることはできないでしょう。そのため、学んだことを後で立ち返って考えたり、参照したりするための読書ノート(もしくはBlog)の作成が必須になります。


<ビジネス書は定番・名著が決まっている 「ビジネス書マンダラ」 >

本書のPoint 「 読書を仕事につなげるには以下の6つの大原則 」
①成果を出すには「2種類の読書が必要」
ビジネスパーソンが継続的に高い知的生産を上げるために必要なのは、「ビジネス書」と「リベラルアーツ(教養書)」。 「ビジネス書」 は、レベルの高い集団になればなるほど、「知っていて当たり前」。つまり、差別化の源泉にはなりません。 それ故、リベラルアーツも学び、差別化を図ることが非常に大事になります。

■ビジネス書
⇒名著をしっかり読む、ビジネスパーソンとしての基礎体力をつくるための読書

■リベラルアーツ
⇒教養に関連する本を読む=ビジネスパーソンとしての個性を形成するための読書
<何を読むか? リベラルアーツで押さえるべき7つのカテゴリー >
①哲学(近・現代思想)
②歴史(世界史・日本史)
③心理学(認知・社会・教育)
④医学・生理学・脳科学
⑤工学(含コンピューターサイエンス)
⑥生物学
⑦文化人類学
②本は「2割だけ」読めばいい
③読書は「株式投資」と考える

軽く、薄く全体を斜め読みする。段落の最初で「おっこれだ」と思わなければ読み飛ばす読書を心がけることが大事です。読書というのは本来的に消費行為ではなく投資行為。「せっかくだから全部読もう」はコストのムダ。読書というのは、自分の時間を投資して、それによって何らかの利益を回収するという投資行為に他なりません。読書という行為は、自分の時間といくばくかのお金を投資することで人生における豊かさを回収するという投資行為と考え、投入する時間と得られる豊かさのバランスを考えましょう。
④「忘れる」ことを前提に読む
インプットされた情報をいかに効率的に「ストック」し、自由自在に活用するには、「記憶に頼らない」ことが大事。特に教養書はすぐにその情報に出番があるとは限らないため、デジタル化し、保管することが大事です。
⑤5冊読むより「1冊を5回」読む
知的生産性の基礎体力を高める読書においては、深みのある本を何度も反芻しながら読むことで初めて可能になります。このようは本は、忘れないために「1冊を5回」読むことが大事です。山口さんはこのような読書を「T字型読書」と呼んでいます。

では、このような「読みがいのある本」を見つけるためにはどうすればいいのか? 答えはシンプルで「たくさんの本に浅く接する」の必要があります。

< 古典を原書で読め>
簡易版の解説書をいくら読んでも経営のリテラシーは高まりません。 古典・原典で著者が展開している思考のプロセスを追体験することで「経営の考え方」「ビジネスを考えるツボ」を皮膚感覚で学び取っていくことにこそ意味があります。
⑥読書の「アイドルタイム」を最小化せよ
本は 10 冊以上を同時進行で読みましょう。「今の気分」に合う本を絶え間なく読む。読書は途絶えると効率が悪くなります。
本書の目次

第1章 「仕事につなげる読書」6つの大原則
第2章 ビジネス書×何を読むか―ビジネス書は「これだけ」読めばいい
第3章 ビジネス書×どう読むか―古典には読む「順番」がある
第4章 教養書×何を読むか―好きな本を読んで「ライバルと差別化」する
第5章 教養書×どう読むか―情報の「イケス」をつくれ
第6章 「書店を散歩する」技術
第7章 「本棚」で読書を仕事につなげる

著者・出版

山口 周(やまぐち しゅう)


東京都生まれの日本の中立者・著作家・パブリックスピーカー・経営コンサルタントである。本人は「ナレッジキュレーター」と名乗ることもある。株式会社ライプニッツ代表。 「経営におけるアートとサイエンスのリバランス」「組織の潜在的創造性の開発」「資本主義とビジネスの未来」などを主な専門領域とする。 ボストン・コンサルティング・グループ、A.T.カーニー等を経て、ヘイグループに参画。
消費財、メディア、流通、情報通信等、幅広い業界対して、事業戦略策定、人材活性化、イノベーション促進等のテーマで豊富なコンサルティング経験を有する。
慶応義塾大学文学部哲学科卒業、同大学院文学研究科前期博士課程修了。

生年月日: 1970年 (年齢 53歳)
出生地: 東京都
学歴: 慶應義塾大学

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