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ビジョナリーカンパニー 2 – 飛躍の法則(日経BP社)ジム・コリンズ

Book Summary
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レビュー

「ビジョナリーカンパニー 2」とは大ヒット名著ビジョナリーカンパニーの続編です。

初作での主題は「企業の生存において最も重要なことは、基本理念を持つこと」でした。第2弾として発売された当書籍では、企業の生存だけでなく、さらに飛躍させる方法について記されています。初作は、基本理念を持つことに焦点をあてられていたので、人によっては「あの本に書かれている企業ははじめから偉大だった」という解釈になり役に立たないという意見があったようです。

そこで本書は「どうすれば素晴らしい企業になれるのか?」という問いに答えるために作られました。具体的には、5年かけて成長した企業とそうでない企業を選び比較することで、飛躍に必要なポイントを見つけ出したそうです。原題は、「Good to Great」です。直訳すると「良い会社から偉大な会社へ」となりますが、当書籍では違う意味を持ってタイトルを付けています。それは企業が「Great=飛躍」するためには、「Good=良好」な状態でいてはいけないということです。しかも「GoodはGreatの敵である」と言う非常に強い意味で用いられています。企業が成長・飛躍するためには、今のパフォーマンスに満足していてはいけません。満足してしまった時点で企業の成長はストップしてしまったと言っても過言ではないと言うのです。ストップしてしまうということは、後は降下線を辿ることを意味すると当書籍では説いています。

飛躍するためには以下の3段階のステップを踏む必要があるそうです。

  1. 規律ある人材
  2. 規律ある考え
  3. 規律ある行動

本書のPoint
1.規律ある人材
素晴らしい企業になるためには、何よりもまず組織を構成するする人が重要である。その中でも重要となるのがリーダーの存在が最も重要である。その人物像は実は派手で強烈な個性を持った人ではなく、控えめで物静かで内気ですらあるが、謙虚さと意思の強さを兼ね備えた人だそうです。歴史上の人物でいうと、リンカーンやソクラテスのイメージだそうです。

本書では、飛躍に導くリーダーを「第5水準の人材」と紹介されている。

<第5水準の人材像>
時を告げるのではなく、時計をつくる──第五水準の指導者は自分がいなくても前進していける企業を築く。不可欠な存在になって自分のエゴを満足させたりはしない。
ANDの才能──個人としての謙虚さと、職業人としての意思の強さ。
基本理念──第五水準の指導者は会社とその理念に関してはきわめて野心的であり、自分個人の成功を超えた目的意識をもっている。
基本理念を維持し、進歩を促す──第五水準の指導者は目に見える業績と成果を達成するために、たえず進歩を促す。そのためには自分の兄弟を解雇することもいとわない。
2.規律ある考え
飛躍した企業は、まずはじめに適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、その後にどこに向かうか決めるそうです。重要なのは、何をすべきかではなく、だれを選ぶか。素晴らしい人材というのは管理を必要とせず、指針を与え導くことで自ら動くため、様々な問題に対応できるからです。

本書では、従業員の動機づけにこだわるなと記されている。多くのビジネス書では、従業員の動機づけにこだわって企業の成長を図ると記されています。本書は真逆の意見で、従業員の動機付けは時間の無駄であるとされている。もっと根本的に企業を成長させるためには、まず従業員のやる気を削がないことの方がはるかに重要であると説いている

”従業員の動機付けに努力するのは時間の無駄。問題は、人々の意欲を挫かないようにするにはどうすればいいか。”と書かれている。
3.規律ある考え(ハリネズミの概念)
人を選んだら次は基本となる考え方となる。本書は海外で有名な随筆「ハリネズミとキツネ」を例に挙げていますが、まとめるとキツネは多くのことを知っているが、ハリネズミは肝心なことだけ知っているということ。つまり様々な目標を同時に追求するのではなく、基本原理によって単純化し、全ての行動を決定すべきだそうです。
 
そしてその原理は以下の3つの円が重なる部分であるべきです。
 〇自社が世界一になれる部分(世界一になれない部分は切り落とすこと)
 〇 経済的原動力になることができる部分(利益を生み出すこと)
 〇 情熱を持って取り組める部分(どのような事業なら情熱を持てるか)
 

 
これは自分の仕事に関しても言えることで、「自分の能力にぴったりか、その仕事で十分な給料が得られるか、その仕事に情熱を持って取り組めるか」ということを考えれば自分自身の飛躍にも繋がる。私たちは、この3つの円が差からなる部分を明確化し、それに基づいて行動していくことが重要である。

■規律ある行動とは?■
規律ある行動とは、規律ある文化と促進により生まれるということ。

【①規律の文化】
人を集め、基本となる考え方を明確し、次は実際に何をやっていくという行動です。行動については、基本となる考え方に基づいて行動するための文化を作る必要があるとのこと。そしてその文化は以下の2面性があります。「3つの円の概念を徹底的に守る」、「その中で自由と責任を与える」これに従って文化を作り上げれば、規律ある行動が取れるようになっていきます。

【②促進剤としての技術】
また行動について、新技術が飛躍のカギとなるという感覚がある人もいるかもしれませんが、技術はただの促進剤に過ぎないという認識が必要です。適切に利用すれば勢いが増しますが、それ自体が勢いになることはありません。飛躍のカギはあくまで、適切な人材・適切な考え・適切な行動です。また技術は先程の3つの円に重なるかという観点で考える必要があります。
■まとめ
劇的な転換はゆっくり進む。全体のポイントとして、飛躍した企業の経営者が口を揃えて言ったことは、突然のひらめきや革命があったから飛躍したわけではないということ。例えるなら、巨大で重い手押し車です。最初はとても重い。でも押していく内に1回転、2回転と回っていく。さらに押し続けると勢いが増し重さが逆に有利になってくる。努力の積み重ねで加速度的に回転が速まっていく。

つまり、飛躍の道は小さな努力の積み重ねだということです。何においても適切な型はあるかもしれませんが、最終的には楽せず小さなことを積み上げる必要があるということなのである。
本書の目次

第1章 時代を超えた成功の法則―良好は偉大の敵
第2章 野心は会社のために―第五水準のリーダーシップ
第3章 だれをバスに乗せるか―最初に人を選び、その後に目標を選ぶ
第4章 最後にはかならず勝つ―厳しい現実を直視する
第5章 単純明快な戦略―針鼠の概念
第6章 人ではなく、システムを管理する―規律の文化
第7章 新技術にふりまわされない―促進剤としての技術
第8章 劇的な転換はゆっくり進む―弾み車と悪循環
第9章 ビジョナリー・カンパニーへの道

著者・出版

ジム・コリンズ

1958年生まれの、アメリカのビジネスコンサルタントです。作家、講師としても活躍しています。 企業が長期間存続する要因を分析した著作、「ビジョナリー・カンパニー」で一躍有名になりました。「マネジメント」で有名なドラッカーの教え子であり、後継者とも言われる世界的経営学者です。

スタンフォード大学で数理科学の学士号を取得後、同大学で経営学修士号を取得。マッキンゼー・アンド・カンパニー社、ヒューレット・パッカード社などの有名企業で活躍しました。 企業勤めを離れた後は、アスリートの妻をサポートします。スポンサー交渉を含めたスポーツマネジメントの仕事をしていました。妻がアスリートを引退した後、スタンフォード大学経営大学院教授として採用されます。 1995年に故郷のコロラド州ボルダ―に経営研究所を設立し、企業や非営利団体の幹部らに研究と教育を指導しています。

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