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感動する脳 (PHP研究所) 茂木健一郎

Book Summary
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理解度チェック

本サイトで紹介する本に関する理解度チェック問題になります。


問題を解きながら、本の概要を理解できるように、
問題以上に解説に力を入れておりますので、是非活用ください。

レビュー

[感動することをやめた人は、生きていないのと同じことである]――。これは、相対性理論でお馴染みのアインシュタインの言葉となります。
現在、もっとも注目されている脳科学者として活躍している著者だが、本書のテーマは、ズバリ「感動と脳の関係」です。かつて脳といえば、記憶をしたり、思考をしたりするコンピュータのようなものというのが一般的な理解でした。しかし、感動という感情そのものも脳と深くかかわっており、感動が脳を刺激し、脳の働きを向上させる、というのが最新脳科学の研究でわかってきたというのです。まさに、アインシュタインが遺した言葉は正しかったのです。

本書の中では、ネガティヴな発想ばかりしていると、脳はどんな影響を受けるのか――。ほかにも共感が脳に与える影響、意欲的な生き方が脳に与える影響など、身近な例を引きながら最先端の脳科学を紹介してくれています。不確実性のある事を乗り越えて感動すること、創造性を持つこと、などが脳を活性化させ、意欲が向上し、自信がつく。根拠無き自信においても自らを強化することができ、その自信は小さな成功を生み出し、自信をさらに強化し、さらに新しいことに挑戦する意欲が向上し、大きな成功へと繋がると著者は伝えたいのだと思います。
つまり年を重ね経験を積んでしまうと、既知の事が増えてしまいます。このように不確実性が減るということは脳にとっては良いことではないということです。 脳が慣れてしまって、何に対しても興味を失ってします。「感動できること」「新しいことにチャレンジすること」それがなくなったら、私たちは生きている意味がないというアインシュタインの言葉につながります。いつまでも新たなチャレンジを続け感動できる日々が続けば、 どんなに年を取っても脳の成長に繋がり、最終的にそれが自分の人格を磨くことに繋がると著者は考えているのだと思います。そんな自分でいたいですね。

本書の要点
●3つのポイント
意欲が前頭葉を動かすエンジンとなる
前頭葉は、側頭葉に蓄積された情報を整理、活用する場所で、前頭葉が働かなければ、経験を蓄積しても無意味だと脳科学では考えられています。
意欲を「生きるうえで避けることができない不確実性への適応戦略」と本書では言っています。年とともに体験や知識が蓄積されて、不確実性の要素が減り、意欲がなくなってしまうことになる。だから不確実性の要素が多い環境に身を置くことこそが、意欲につながり、前頭葉を動かすと考えられているのです。
例えば、経営者に意欲的な人が多いのは、市場や競合など不確実性の多いためだと考えられます。
根拠のない自信で脳が中身が変わる 後ろ向きに生きている時には、脳もまた後ろ向きの働きをしている。感情というものに大きく関係する情動系と呼ばれている部分があります。大脳皮質の下の大脳辺縁系を中心とする領域にある物質。この物質が、前向きに生きる時と後ろ向きに生きる時とでは、その状態がまったく違ってくるのです。よく前向きに生きようと耳にするかもしれませんが、脳科学的にも有効であることが分かってきています。
とにかく、前向きに、自分には自信があるんだと考える。そうすると面白いことに、自信を持っている脳の状態ができ上がってしまうのです。
安全基地を持つことで、積極的なチャレンジが可能となる 仕事などで大きな失敗しても自分を受け入れてくれる安全基地を持つことが出来れば、積極的にチャレンジすることが可能となる。
子供がなぜ意欲的に様々な物事へチャレンジすることができるのか?それは親という安全基地があるからなのです。大人になってもチャレンジを続けるためには安全基地が必要なのです。趣味の合うコミュニティや友達や妻などが考えられますが、私は英語コミュニティやリーダーシップコミュニティなど仕事とは別で活動しているコミュニティが安全地帯です。

 

用語解説
オープンエンド とは?…年齢に関係ないこと。本書では脳の成長はオープンエンドで限りがなく、どんなに年を取っても成長することができると言っています。

本書の目次

●はじめに―心は脳に宿る

●第1章 人間の「心」を支配する脳
-コンピュータと人間の脳は何が違うのか
-創造性は、すべての人間が持っている
-大切なのは「意欲」

●第2章 意欲が脳を刺激する
-人生は不確実性に満ちている
-感情のレパートリーをフル活用する
-イメージ・トレーニングとクオリア

●第3章 「感動」は脳を進化させる
-使い方次第でどんどん進化する脳
-百歳になっても脳は成長し続ける
-「感動」は一瞬にして人生を変える

●第4章 人と人の共感回路
-人間は生まれつき優しさを持っている
-人の気持ちが分かるとは?
-人間関係の中で感動を味わうということ

●第5章 「ネガティブ脳」のメカニズム
-脳の引き込み現象
-負のスパイラルから脱け出す方法
-不安を乗り越えるために必要な「安全基地」

●第6章 「感動脳」を育てる
-心に空白部分をつくる
-空白のない日本人のスケジュール帳
-ギャップ・イヤーという考え方

著者・出版

著者: 茂木健一郎

1962年、東京生まれ。脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー、慶應義塾大学特別研究教授。東京大学理学部、法学部卒業後、 東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職。専門は脳科学、認知科学。2005年、『脳と仮 想』で、第4回小林秀雄賞を受賞。2009年、『今、ここからすべての場所へ』(筑摩書房)で第12回桑原武夫学芸賞を受賞

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