RACインストール環境準備

実践オラクルデータベース構築・運用

オラクルデータベース構築オラクルデータベース運用SQL書式PL/SQL書式Oracle Master試験

TOP オラクルデータベース構築 Oracle RAC11gR2構築手順

RACインストール環境準備


スポンサードリンク



RACインストール環境準備



本項では、RAC(Real Application Clusters)インストール前のOS周りの準備作業を中心に記載しております。

11gR2のRAC構築作業として以下があります。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ・【Grid Infrastructureインストール】
 ・【Oracle Databaseインストール】
 ・【データベース作成】
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
この作業を実施する前に、インストール実行ユーザ作成やインストールディレクトリ作成などの事前準備作業が必要になります。本項では、その事前準備作業について紹介しています。



1. OSグループおよびOSユーザ作成
インストール前にOracle用のOSユーザとグループを作成します。今回はOSユーザとして「oracle」と「grid」、OSグループとして「oinstall」と「dba」を作成します。

OSユーザとOSグループ作成後、以下のコマンドで作成されたことを確認します。
# cat /etc/passwd | grep -E "oracle|grid"

# cat /etc/group | grep -E "oinstall|dba"



2. パッケージインストール
前提としてインストールが必要なパッケージをインストールします。環境によっても異なりますが、今回はOSがRedhat5.7では以下が前提パッケージでした。


binutils
compat-libstdc++
elfutils-libelf
elfutils-libelf-devel
elfutils-libelf-devel-static
gcc
gcc-c++
glibc
glibc-common
glibc-devel
glibc-headers
kernel-headers
ksh
libaio
libaio-devel
libgcc
libgomp
libstdc++
libstdc++-devel
make
sysstat
unixODBC
unixODBC-devel
cvuqdisk

※今回は64bit環境となるため、上記パッケージ全て64bit版となります。


3. hostsファイル設定
/etc/hostsファイルにRACを構成するノードやNASストレージのIPアドレスとホスト名を設定します。

以下のコマンドでhostsファイルを確認します。
# cat /etc/hosts

### public
192.168.0.1 rac01
192.168.0.2 rac02
192.168.0.11 rac01-v
192.168.0.12 rac02-v

### Interconnect
192.168.1.1 rac01-i
192.168.1.2 rac02-i

### Storage
192.168.2.1 racnas


※11gから導入された新機能である、SCAN IPを使用するにはDNSへの登録が必要になります。DNSの登録が完了したら、以下のコマンドでSCAN名の名前解決が出来ることを確認します。

# nslookup racscan



4. 時刻同期設定
RACを構成するノードで時刻同期設定をします。設定後正しく同期されていることを、以下のコマンドで確認します。
# ntpq -p




5. インストールディレクトリ作成
環境に合わせてインストールディレクトリを作成しあす。今回は/opt/app配下に作成したので、以下のコマンドで確認します。
#  df -h



6. マウント
Oracle構成ファイルはストレージ上に置くので、ストレージ領域が正しくマウントされOSが認識出来ていることを、以下のコマンドで確認します。
# tree -d /opt/app



7. カーネルパラメータ設定
カーネルパラメータを設定して、以下のコマンドで確認します。
# cat /etc/sysctl.conf

kernel.shmall = 16777216
kernel.shmmax = 48103633716
kernel.shmmni = 4096
kernel.sem = 250 32000 100 128
fs.file-max = 6815744
fs.aio-max-nr = 1048576
net.ipv4.ip_local_port_range = 9000 65500
net.core.rmem_default = 262144
net.core.rmem_max = 4194304
net.core.wmem_default = 262144
net.core.wmem_max = 1048576
※上記に示されている値より大きい値が設定されていることを確認します。なおnet.ipv4.ip_local_port_rangeに関しては、値が一致していることを確認します。。


8. シェル制限設定
シェル制限を設定して、以下のコマンドで確認します。
#  cat /etc/security/limits.conf
<省略>
oracle soft nproc 2047
oracle hard nproc 16384
oracle soft nofile 1024
oracle hard nofile 65536
oracle hard stack 10240

grid soft nproc 2047
grid hard nproc 16384
grid soft nofile 1024
grid hard nofile 65536
grid hard stack 10240


#  cat /etc/pam.d/login
<省略>
session required pam_limits.so


#  cat /etc/profile
<省略>
if [ $USER = "oracle" ]||[ $USER = "grid" ]; then
if [ $SHELL = "/bin/ksh" ]; then
ulimit -p 16384
ulimit -n 65536
else
ulimit -u 16384 -n 65536
fi
fi


9. その他(参考情報)
NASストレージを使用する場合、ASMを構成するためには、RAWデバイスが必要になるため、NAS上で事前に以下のコマンドでRAWデバイスを作成しておく必要があります。
# dd if=/dev/zero of=/mnt/racnas/raw1 bs=1024k count=10000



〜参考情報〜
OracleRACを導入する際のマニュアルとして、Oracleが公開しているマニュアルを一つ見れば導入が可能だったら、誰でも簡単にRACを構築出来るのですが、ハードウェアやソフトウェア環境またシステム要件に合わせて構成する必要があるので、一つのマニュアルだけを参考に導入ということは正直難しいと考えております。結局、複数のマニュアルから必要な所を参考に、環境に合わせた導入手順が必要になります。

※本項で参考にしたOracleが公開しているマニュアルは以下になります。

<参考マニュアル>
 ・ Oracle Databaseインストレーション・ガイド 11gリリース2 (11.2) for Linux
 ・ Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド 11gリリース2(11.2)for Linux



スポンサードリンク



<前提知識>-11gR2 新機能

   @-RACインストール環境準備

   A-Grid Infrastructureインストール

   B-Oracle Databaseインストール

   C-Oracle Net設定

   D-データベース作成

   E-パッチ適用(RAC環境)




スポンサードリンク

リンク集 / 免責事項サイトマップ問い合わせ
Copyright (C) 2012  実践オラクルデータベース構築・運用  All rights reserved