スポンサーリンク

ハッとする言葉の紡ぎ方(祥伝社)堤藤成

Book Summary
スポンサーリンク
レビュー

言葉には、様々な力があります。 人を元気づける力、ホッさせる力、慰める力などなど、私たちは知らず知らず言葉によって、影響を受けています。 本書の著者はコピーライターです。 コピーライターというのは主に、商品を買いたくなる言葉を創り出す人たちです。 買ってもらうには、人々の気持ちを動かす必要があります。 そのため、人一倍言葉の使い方には気を使い、人の気持ちを、行動につなげるために、日々言葉の研鑽を行っています。 私たちがもし、言葉で人を動かすことができれば、大きな力になりますね。 さて、どうすればハッとする言葉を紡ぎ出せるのでしょうか?

物語には2種類あります。「ストーリー」と「ナラティブ」です。いわゆる「ストーリー」とは、起承転結やあらすじなどの「客観的」な構成要素です。対する「ナラティブ」とは、それぞれの個人の視点から語られる「主観的」なものです。それは、「ナレーター」の語源でもあります。視座が低かろうと視野が狭かろうと、まずは一旦その瞬間の思いを紡いで残しておく事は大切です。

キャッチコピーは、商品と自分の関係性の中で紡がれるもの。

本来、国語で学ぶ内容は、「実用的」なだけでなく、生き方のヒントになる「哲学的」なものであり、情緒・感性を磨く「芸術的」なものである。いい大学に合格するためではなく、人生を楽しむために、情緒を育むために、言葉に触れていくことが大切。僕が「楽しいな」と感じた授業をする先生はみんな、それぞれ単に教師としての「当たり前」の役割を超えて、人間としての個性を発揮して、自分らしく教える人たちでした。自分のために文章を紡ぐと、自分の心が癒される。例えば10回電話をかけて1回アポが取れるとすれば、そのアポ数を追いかけるのではなくて、電話に断られた数を数えても良い。そう捉えれば、断られた数が増えていけば、それだけアポが取れる数もいずれ上がっていくのです。僕たちが行動する時「必ず成功させる」ではなく、「仮説を試すだけ」と考えると、気持ちが楽になります。学んだことのひとつが、やはり大富豪や成功者ほど「紙に書いている」と言うことだったのです。彼らは手帳であれ、ノートであれ、常に紙とペンを携帯して、コツコツと書き留めています。きっと1日のどこかで、それを読み返し、アイディアを練ったり、我が身を振り返ったりしているのだろうなと推測できました。

コピーライターは、なぜ、ハッとすることが紡げるのか?
「気になる疑問はすぐに調べること」「もしもで仮定し、妄想を理論化する」「視点・視野・視座を増やすこと」「言葉の語感や韻のリズムを感じること」「『〇〇と言えば』で発想をつなげていくこと」など。こうした小さな「試み」を続けていくことで、一歩ずつでもコピーライター目線は確実に身に付いていきます。コピーライターがいきなり「ハッとする言葉を紡げる」のではなく、「言葉を紡ぎ続け、ハングリーに考え続ける中で、たまたま偶然のように、ハッとする言葉が見つかる」と言う宝探しの感覚にも気づいていただけたのではないでしょうか。


本書のPoint
■言葉を紡ぐための3つの行動
<3つの行動ポイント>
・自分が過去に書いた文章を読み返す
・なんとなく引っかかる「語彙」について、なぜ気になるのか深掘りしてみる
・考えることに詰まったときは散歩に出る


「自分の物語を紡ぐ」とは、自分の生きてきた人生や、今やりたいことをあなたの視点でまさにナラティブ(主観的)で語ることなのです。 親からの手紙など、自分が心を動かされた言葉はできるだけ取っておくのがいいと思います。 今ならスマホでカシャっとして電子データで保存してもいい。 紡ぐことと向き合う場合、まずはそんな身近なところから始めてみましょう。 「言葉を紡げない」と苦手意識を感じているのなら、まずは信頼する誰かに聞いてもらうこと。 非日常のなかで紡ぐ言葉もまた、普段の自分を超えた広がりをつくってくれるのかもしれません。 紙とペンを通して外部に出すことで、今の自分の内面を客観視することができます。 そしてその志は、韻を踏んだり、リズム感にこだわったりしてみることで、より持ち運びやすく覚えやすい自分専用のお守り言葉になります。 頭でっかちになっていつまでも行動できない状態にならないように、ほんの小さなタスクでいいのでアクションを紡いでみましょう。 僕たちが行動するとき、「必ず成功させる」ではなく、「仮説を試すだけ」と考えると、気持ちが楽になります。 みんな結局、自分以外のものにはなれません。人は言葉で学びを紡ぎながら、変化していくのです。 人間はちっぽけな存在であるという「大河の一滴」という言葉がありますが、逆にいえば「その一滴一滴が、大河になる」と捉えることもできます。 アイデアが浮かばないと悩むくらいなら、旅に出てみる。 制約があるからこそ、その大切な価値に気づける。 今結果が出ないと焦る人も、その人にとってのベストなタイミングで夢がかなったり、アイデアがカタチになったりするのです。もし、時間があるなら、ぜひそんな自分だけの自伝を、一度じっくり書いてみるのをお勧めします。 言葉が考えを紡ぐのならば、行動や習慣、人格、運命さえも紡ぐものであるということができます。
シンプルにこう記すこともできます。
言葉は思考を紡ぎ、
行動を紡ぎ、
習慣を紡ぎ、
人格を紡ぎ、
運命を紡ぐ。
■ネーミングのコツ
電通のコピーライターからスタートアップ広報に転職してからも、色んな方から「ネーミングってどうやって考えるの?」と頻繁に聞かれることが多いので、シンプルに1枚でまとめてみた。
ハッとするつぶやき戦略
何つぶやけばよいのだろう…とお困りのあなた。私もまさにそうでした。そこでコーチングで学んだGROWモデルとマーケティングの戦略的コンセプトのフレームワークを融合させ、Twitter戦略シートをつくってみた。
本書の目次

序 章 言葉の散歩に、出かけてみませんか? 
第1章 想いをめぐらす「物語(ナラティブ)を紡ぐ」
第2章 内面をたがやす「志(パーパス)」を紡ぐ
第3章 覚悟をあらわす「実験(トライ)」を紡ぐ
第4章 社会をうるおす「学び(ラーニング)」を紡ぐ
第5章 未来をまなざす「企画(アイデア)」を紡ぐ

著者・出版

堤 藤成(つつみ ふじなり)


新卒で電通に入社し、クリエイティブ、プロモーション、デジタルの部署を横断し統合的に国内外の企業のマーケティングやブランディングを支援。マレーシアのELM Graduate SchoolでMBA(経営学修士)取得。

制作した広告が国語の教科書に掲載されたり、カンヌライオン・ゴールド、新聞広告クリエイティブコンテスト・グランプリ、日本広告業協会(JAAA)論文銀賞、宣伝会議アドバタイムズの第1回コラムニストグランプリなどを受賞。

現在は(株)フェズにてクリエイティブ・ディレクターとして活動。オランダと日本を行き来しながらリモートワークでも大型の年間プロジェクトをリードし、「言葉」を起点に、企業のセールスリフト✖︎ブランドリフトを支援。

人生のミッションは「かなえる、きっかけをつくる」こと。2022年に『ほしいを引き出す、言葉の信号機の法則』(ぱる出版)を出版

コメント

タイトルとURLをコピーしました