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折れない心 (PHP新書) 橋下徹

Book Summary
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レビュー

「みんな仲良く」という呪縛から逃れよ 「自分の軸」を持てば人間関係で消耗しない

かつて38歳で大阪府知事、42歳で大阪市長に就任し、4万8000人の長として、大阪府の財政再建や都構想住民投票実施など、前人未到の改革を数々成し遂げてきた橋下徹氏。

そんな橋下氏は、「現代人は目の前の人間関係にとらわれすぎだ」と言う。かくいう橋下氏自身「人間関係を築くのは得意な方ではない」と語るも、それでもこれだけの結果を出せた秘訣が「折れない心」にあると言う。

しかし、橋下氏の考える「折れない心」とは、普通の人とは一味違う。それは、「これが個性だ」と胸を張って言える「自分の軸」を持つこと。この「自分の軸」さえあれば、むやみに他人に振り回されたり、大衆に迎合して消耗したりすることはなくなる、と語る。

そこで本書では、橋下氏がこれまでの人生を振り返って見出した、「折れない心=自分の確固たる軸を見つける方法」を大公開。「他人とのズレを怖がるな。むしろチャンス」「持論を語れば自分の軸が見えてくる」など、世間の同調圧力に屈することなく、自分を貫くための視点・考え方が身につく1冊!

本書のPoint
ズレを認識し、持論を展開する
「ズレ」と「持論」が本書のキーワード。世間とのズレを認識する、それが自分の個性であり強みとなる。持論を構築させるには努力が必要だが、持論がない人はフェイクニュースに騙され、意見がない奴と認識され存在が認められなくなる。

世間と自分のズレを認識する。そのズレを契機として「持論」を語ること。持論を語ることで「自分の軸」「個性」を見出すこと。印象に残ったのは、議論について。日本は全会一致方式を取る風習が根強いが、議論は裁判形式の手法が妥当だという事。多種多様な考えが全会一致するわけが無い。忖度や力関係で決まる議論は後味が悪い。様々な考えがあると認識した上で議論を重ね、決定権者が落とし所を探り決断を下すのが望ましい。
ウェットとドライを使い分ける
多様性は大事に但し全てに耳を傾ける必要はない。苦手なことは人に任せる。人間関係の貸し借りを大事に。物事をラベリングしない決めつけない。上質の情報を基礎にズレを恐れず持論を持つ。但し自分だけが正しいと思ってはいけない。代替案を出さずにくさす発言をする人を信用しない。などなどあり触れた一般論も多い。チャンスが来てから準備しても遅い。日々努力を怠らないというのは松下幸之助も語っている。しかし効率優先のドライなアプローチと感情を操るウェットなアプローチを使い分けるというのは大変参考になった。

ドライな論理性とウェットな人間関係の両輪でビジネスを回せ。どちらかが不得意ならば誰かと分担しても構わない。最初の第一印象を決める仕事には全力で取り組み、自己イメージを浸透させる。新聞を読むのは情報を仕入れるためだけでなく、持論確立のため。長いものに巻かれる戦略はアリだが、媚び諂うな。
本書の目次

はじめに
〇「みんな仲良く」という呪縛から逃れよ
〇人間関係を気にせず生きるには、どうすればいいか?
〇他人に振り回されず「組織の中で自らを貫く要諦」

第1章 他人と異なることを恐れない――「ズレ」はむしろチャンスだ
〇ズレが生んだ「スピードの橋下」という絶対的価値
〇僕がどれだけ批判を受けても平気なワケ
〇心理的安全性とは「皆がズレを恐れず、ツッコめる組織」

第2章 人間関係は「ドライとウェット」のバランスで考える
〇「ドライな論理性」と「ウェットな人間関係」を使い分けよ
〇ドライ人間の僕が、なぜウェットな政治の世界でリーダーとなれたか
〇「ウェットな世論」に流されるな

第3章 橋下流「持論のすすめ」――自分の軸を見出す発信法
〇情報社会の〝奴隷〟にならないために「持論」を述べよ
〇ただの〝情報〟と「持論」の違いとは
〇何より「個性」を重視した石原慎太郎さん

第4章 ズレを見抜き、持論を生み出す「情報収集術」
〇持論を生み出すには「質」と「量」の両方が大事
〇「新聞と対話する」五大紙クリッピング法
〇個性=「持論の特徴性×知識・情報量」

第5章 組織を生き抜き、チームを活かす極意――「見えない掟」を見抜く
〇子ども時代の喧嘩から学んだこと
〇「見えない掟」を見誤れば、能力は高くても失敗する
〇「ジャイアン的権力」に従ってもいいが、媚びてはいけない

著者・出版

橋下徹(はしもと とおる)

1969年06月29日:東京都渋谷区生まれ
1988年03月:大阪府立北野高等学校卒業
1994年03月:早稲田大学政治経済学部卒業・司法試験合格
1997年:弁護士登録。翌年、大阪市北区で橋下綜合法律事務所を設立
2003年04月:『行列のできる法律相談所』にレギュラー出演開始
2008年02月:大阪府知事就任。38歳での就任は当時全国最年少
2009年度:世界経済フォーラム(ダボス会議)のYoung Global Leadersの1 人に選出
2011年12月:大阪市長就任
2015年05月:大阪都構想の賛否を問う住民投票。得票率差1%未満で否決される
2015年12月:任期満了で大阪市長を退任。政界引退

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