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僕たちのチームのつくりかた(Discovery21)伊藤羊一

Book Summary
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レビュー

【リーダーシップ発展の3段階】
① Lead the Self
② Lead the People
③ Lead the Society

著者がこの3段階で何を伝えたいかというと、リーダーシップの本質は「自分を知ること」ということだと思います。“自分自身をよく理解する”という点をもう少し掘り下げると、「自分が何をやりたいか」と「自分の現状」を両方とも理解できていることが重要です。 自分自身の今は、過去の自分の人生を通じて育まれたことであり、同様に、自分自身の未来は、現在の自分から生まれるからです。 「やりたいこと」と、「自分自身の状況」をしっかり把握できているかはリーダーにとって必要な資質となるわけです。

改めて、本書の内容はリーダは自分がそこにいる理由を主体的に捉えていこうというものです。その理由を3つのポイントで纏めると以下になります。
「自分はどうしたいのか」というリーダーの主体性がメンバーを動かすため
「自分がチームにこうあって欲しい状態」の想いがあると、あらゆる意思決定の際に想いを反映することができるため
「志を持つと仕事が楽しくなる」つらいことも「志のためなら仕方が無いな」と思えるため


志をどう育めばよいか?
それは振り返りにつきます。 これまで自分は何に心が躍り何をするとつらかったのか?これまでの人生を振り返りながら改めて自分が何をしたいのか考えてみる機会を持つとよいです。そして日々の活動の振り返りを通じて志を育んでいく。実行しながら振り返り、また実行して振り返るというサイクルを回して志を育みましょう。

本書のPoint
■1章 個々の強みを活かすチームの「フラットな場」
チームはメンバー一人ひとりが主人公である。 これを強く意識しておきたい。メンバー一人ひとり主体性を持ってアクションできているチームは強い。

そのためにリーダがやることは、
①環境作り・・・心理的安全性のある職場環境を作る。つぎに「言いたいことが言い合えること」これは気楽にいることができる生ぬるい場所ではなく、相手がリーダーだろうが先輩だろうが自分の意見をしっかりと主張できることだ。まずはそれぞれのメンバーがお互いにリスペクトしている場所にしよう。言いたい事は主張でき時には耳の痛い話もしなければならないが、それでもお互いの信頼関係が崩れないそんなチームである。会議では何も言わず後で反対意見を裏で言うというのは、心理的安全性が確保できていない状態である。

②チームメンバー一人ひとりの才能と情熱を解き放つ・・・メンバーには元々持っている才能があり、その人なりの強みがある。その才能を解き放つのはリーダーの仕事だ。人事部の仕事ではない。チームリーダーの仕事は一人ひとりに目を向け一人ひとりの強みを引き出し活かすことである。

有事はfollow me 平時はafter you
これまでの話は平時の時で、有事の時はメンバーの想いはさておきリーダー自身の意思決定に従ってもらうことでスピーディーな復活を行うことができる。有事は状況が刻々と変わるうえに決めないと何も進まない。優先順位を決める必要があるからである。
2章 指示よりも大切な「聴く」行為
チームメンバー一人ひとりの才能と情熱を解き放つのがリーダーの仕事であるが、1:nで全員とコミュニケーション(みんなでゴールを共有したり進捗を確認する)をとると同時に1:1で話を聴くこと(同じ話をしても受け止め方が違う、それに向き合い相手の状況を理解しサポートする)に尽きる。

1on1ミーティングの基本
1on1ミーティングは「メンバーのための時間である」。リーダーが自分の聞きたい事を聴く時間でもなければ、リーダーが気にかかっている案件の進捗を詰める場でもない。メンバーが話したいことをテーマにしてメンバーを理解する時間である。
3章 みんなが主体的に話す「会議」つくりかた
私は、会議は準備ですべてが決まると考えています。1:nの会議は、スピーカーがn人に伝達する場でもなく、n人がフラットに話し合い結論を出す場である。チームが進んで行くうえで生じた問題、課題を解決し進む道を明確にする時間である。 会議とは「あるテーマについて話し合い共通の結論を決めていく」こと。 会議の理論的な公平性を担保してピラミッドストラクチャーを使い結論を導き出していく。 最後は議論をし尽した後に総括し様々な反対意見も含めたうえで皆の総意として結論を出す。
■ 4章 チームでゴールを決める
チームを組んだら目指すべきゴールを決め、メンバー一人ひとりに共有し、徹底していく。当たり前のことであるが、それがなかなか出来ない。まずはチームのミッション、ビジョンを決め共有しよう。

ミッションとは、このチームは何のために存在するのかということ。何に心躍るのか?何の為にガンガン働けるのか?を言語化したものである。
ビジョンとは、ミッションに基づき行動した結果、実現すべき未来の姿。

つまり、ミッションに基づき行動し、ビジョンを実現すると考えるべきである。
【例:Zホールディングス】
ミッション・・・情報技術のチカラで全ての人に無限の可能性を
ビジョン・・・人類は「自由自在」になれる

ステートメント・・・情報技術は人々の可能性をどこまで解放することができるのか。それは私たちが追求する永遠のテーマです。知りたいことにすぐアクセスできる。欲しいものがいつでも手に入る。その先にどんな未来を想像し新しい常識を創造するのか。ひたむきな熱意と圧倒的な技術力で未来を切り拓き、人々が完全なる「自由自在」を手に入れることができる世界を、私たちは実現します。

ミッション「私たちは何をするのか」を明確にすると「何をやらないのか」を決める。すべて可能性があるから全方位で、とやると確実に焦点がぼやける。そして、その可能性をつべて追求するときりがない。だからこそ思い切って「私たちがやること、やらないこと」を定義してみよう。
本書の目次

序章 リーダーの最優先事項は「メンバー一人ひとりの強みを活かしきること」
1章 個々の強みを活かすチームの「フラットな場」
2章 指示よりも大切な「聴く」行為
3章 みんなが主体的に話す「会議」のつくりかた
4章 チームでゴールを決める
5章 組織を超えて集まる「ヨコの場」のつくりかた
6章 みんなで踏み出す
終章 あなたはどうする ?
 

著者・出版

伊藤 羊一(いとう よういち)


Zホールディングス株式会社 Zアカデミア学長/ヤフー株式会社 コーポレートエバンジェリスト Yahoo!アカデミア学長/武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長(予定)/株式会社ウェイウェイ 代表取締役/グロービス経営大学院 客員教授
東京大学経済学部卒、1990年日本興業銀行入行、企業金融、債券流動化、企業再生支援などに従事。2003年プラスに転じ、ジョインテックスカンパニーにてロジスティクス再編、マーケティング、事業再編・再生などを担当後、執行役員マーケティング本部長、ヴァイスプレジデントを歴任、経営と新規事業開発に携わる。2015年4月ヤフーに転じ、現在Zアカデミア学長、Yahoo!アカデミア学長としてZホールディングス、ヤフーの次世代リーダー開発を行う。またウェイウェイ代表、グロービス経営大学院客員教授としてリーダー開発を行う。若い世代のアントレプレナーシップ醸成のために2021年4月より武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(武蔵野EMC)学部を開設、学部長に就任予定。
代表作『1分で話せ』は50万部を超えるベストセラーに。その他『0秒で動け』『1行書くだけ日記』『ブレイクセルフ』など。

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