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プレゼンは目線で決まる (ダイアモンド社) 西脇資哲

Book Summary
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理解度チェック

本サイトで紹介する本に関する理解度チェック問題になります。


問題を解きながら、本の概要を理解できるように、
問題以上に解説に力を入れておりますので、是非活用ください。

レビュー

プレゼンを成功させたい人には読んでほしい本である。私が尊敬する方に進められて購入してみたが、読み終わった率直な感想としては、「当たり」ラッキーだ。 日本マイクロソフトの執行役員・エバンジェリストという肩書きに偽りなしといったところだ。私がこれまで読んできた数あるプレゼンに関する書籍の中でNo1であった。プレゼンの成功させたい人だけに限らず、仕事の中で顧客、上司、部下、組織を動かすリーダなどにもお勧めの一冊だ。

本書は、読み始めて、すぐに大きな気づきを与えてくれた。それは何のためにプレゼンを行うのかという最も当たり前だが、誰もが見失ってしまうことだ。「相手を動かす」というプレゼンの目的を再定義し、相手を動かせたかどうかでプレゼンの価値が決まると言い切っている。その上で、「スライド」・「シナリオ」・「トーク」を正しく準備することでプレゼンを成功させる確立が高まると流れとなっている。

「スライド」・「シナリオ」・「トーク」 の準備については、他のハウツー本と同じだよねと考える方もいるかもしれません。たしかにタイトルだけを見ると他のプレゼンハウツー本と同じ内容もあると思いますが、本書がその他と違う点は、著者の圧倒的な経験に基づいて、根拠と具体例が分かり易く纏められている点である。例えば、デマンド創造(欲しい・必要だと思わせること)のためのストーリーに関する章には、著者のプレゼンサンプルやジャパネットタカタの商品プレゼンの秘密まで踏み込んで細かく説明されていることで、今までボンヤリと理解していたことが、腹落ちできたということが何か所もあった。

<おまけ>
西脇さんについて調べているなかでPowerPointの最新トレンドについて紹介されていたので簡単に紹介します。

フォントフォントは最近は細いフォントが流行っているとのこと。これまではPowerPointといえば、メイリオかMS明朝だったが、Windows10時代は游ゴシック体や游明朝体が主流になっていくそうだ。また、フォントだけでも意味が伝えるようにする。内容の深刻さや悲惨さを伝えたいときは、やはり明朝体などを使ったほうが効果的だ。
箇条書き箇条書きを入れる場合は、「●」ではなく、「■」を使うのがトレンド。キーワードは目線がいくように強調し、重複表現があれば削除する。画像は背景を削除するか、背景全体に使うのが平成世代のスマートなスライドだ。
グラフグラフの色はシャーベットカラー。メモリの表示も少なく、判例も内側に配置されている。これは目線を散らさないよう、シンプルにするためのポイントだ。Windows10から無料ダウンロードできる「アイコングラフ」という機能を使えばより直感的に表現が可能になる。
写真クリップアートではなく、全体写真を活用する今後はより効果的に伝わる。「画面全体に広がりのある写真を配置する」テクニックを活用してみよう。文章よりも体言止めで表現するほうが、目線が散らず、効果的に伝わる。
強調強調部分の表現方法を工夫する。最新トレンドは「手書き風のハイライトを入れる」こと。これなら背景も邪魔せず、色も多用されない。すっきりと強調ポイントだけに目線がいく。

本書の要点

プレゼンを成功するための3つのスキル

【スライド】で目線を誘導
スライドを利用して目線をリードするためには、フォントや見せ方の細部まで説明されている。特に、デファクトスタンダードとなっているPowerPointの裏技には目からうろこであった。

【シナリオ】で目線を誘導
シナリオの黄金比30:70の法則からデマンド創造のためストーリー、さらにはシナリオを考える時のフレームワークまで紹介されており、すぐにPowerPointを作成し始める人には本章を読んでほしい。

【トーク】で目線を誘導
ボディランゲージから間の取り方、目線の向け方、悪い緊張との向き合い方まで細かく説明されている。

※様々なプレゼンを成功ノウハウを紹介している一方で、著者は、「相手にどう動いて欲しいかを明確にして、プレゼン対象に愛情を持った上で、スキル向上に努めよ」といっている。 「スライド」・「シナリオ」・「トーク」 ハウツーは、ゴール設定と情熱という土台の上にあるものであることを忘れてはいけない。

本書の目次

Chapter1 プレゼンは「目線」で決まる
 ・プレゼンの3つの要素──スライド、シナリオ、トーク
 ・「プレゼンの目的=伝えること」ではない
 ・優秀なプレゼンターの「資料作成」は何が違うか?
 ・営業マンも、経理部も、お母さんも使えるプレゼン
 ・大人のプレゼン能力は低下し続ける
 ・子どもこそが「最強のプレゼンター」である
 ・プレゼンの成否は、伝え方“以前”
 ・「見せるプレゼン」こそが「魅せるプレゼン」になる
 ・池上彰の解説は“どこ”がうまい?
 ・なぜ、ジョブズや孫正義をマネてはいけないか?
 ・プレゼンへの評価を“最短”で高める方法
 ・直前でも「スライドの修正」はやるべき
 ・最大のよそ見ファクター「手元資料」は、配布しない
 ・「指し棒」「レーザーポインタ」の致命的な欠点


Chapter2 西脇式プレゼン ① スライドで目線をリードする
 ・トークとスライドが「ズレて」いないか?
 ・重複語を排除する「1スライド1ワード」のルール
 ・スライドタイトルには「相手が起こす行動」を入れる
 ・「お役所のパワポ資料」がやけに見づらい理由
 ・なぜスライド番号は“なくていい”のか?
 ・フォントは「メイリオ」で十分
 ・文字だけの視線誘導には「空白」が最強
 ・スーパーの折り込みチラシに学ぶ「数字」の見せ方
 ・色は最大でも「3色+白抜き」
 ・色使いだけで「相手の機嫌」が変わる!?
 ・インパクト大の写真素材は、ここで入手しよう
 ・視覚芸術の鉄則「3分割法」をスライドに応用する
 ・矢印・チャートの「左→右」「上→下」の原則
 ・なるべく“上半分”にキーワードを集中させる
 ・データはあえて「不公平な見せ方」をするべき
 ・スライド上のグラフに「数値」はいらない
 ・9割のアニメーションは「つくり手の自己満足」である
 ・グルーピングに不要な「枠」は取り除く
 ・プレゼン力が効く!! 人を動かすメールの技術
 ・「ノート」機能は「次スライドのカンペ」に使おう
 ・指先1つで視線を集める「B」キー


Chapter3 西脇式プレゼン ② シナリオで目線をリードする
 ・「本題70%・その他30%」の“シナリオ黄金比”の法則
 ・「4つのなぜ」で「聞かなきゃ!」と思わせる方法
 ・「大きな話題→小さな話題」がよい理由
 ・シナリオ序盤で「聞き手の期待」に応える
 ・「ほしい!」と思わせる3つのストーリー
 ・5つの「レアストーリー」で目を釘付けにする
 ・ファブリーズCMの巧みな「ホラーストーリー」とは?
 ・再春館製薬所の「ホラー&レア」組み合わせ戦略
 ・ジャパネットたかた式「驚異の3型ハイブリッド」
 ・プレゼンの骨格を決める「A4一枚」シナリオ術
 ・「カード式ミニスライド」で見違えるほど流れがよくなる
 ・「なぜその“順序”なのか」を説明できますか?
 ・「ブリッジ」を挿入し、スライド間を「なめらか」にする
 ・いつも「2つ以上のシナリオ」を用意している理由
 ・「聞き手の役職」次第で“気になるところ”は変わる
 ・「エグゼクティブへのツテ」を得るたった1つの方法
 ・プレゼンリピート率62%の秘密


Chapter4 西脇式プレゼン ③ トークで目線をリードする
 ・注目を集める人は、名前を“2度”言っている
 ・「ツイッターで地名検索」が“つかみ”の鉄板
 ・思わず目線が上がる“さぐり”のテクニック
 ・「終了時間」をまず伝え、時計を気にさせない
 ・芸能人のトークを「文字起こし」すると、何が見えるか?
 ・納品→入手…動詞を“聞き手目線”に変換する
 ・女性コスメ販売員が決して語らない“あれ”の話
 ・相手が一気に“冷める”専門用語・社内用語
 ・“話者の視点”が前提の代名詞「あれ・これ」に要注意
 ・「68・7%」を「7割」と言い換えてはいけない
 ・人の心理を操る「絶対時間」と「相対時間」のマジック
 ・プレゼンに流れを生む!! 「スライドまたぎ」トーク術
 ・日本人でもできる「手・指・身体・目線」の動かし方
 ・「おへその前で手を組む」を基本姿勢にする
 ・「指」を使って“数字の魔力”を引き出す
 ・「手を叩く」よりも強力な「無音」の影響力
 ・「身体」のまえに「目線」を動かしたほうがいい
 ・1対1のプレゼンは「座る場所」がカギ
 ・聞き手に目を向けるのは「接続詞」のタイミング
 ・ジョブズはプレゼン中にどこを見ていたか?
 ・「わるい緊張」がやってきたら、まず息を吐く
 ・「聞いてくれるあなたのため!」というスタンスを貫く
 ・トラブルのときこそ「トーク、トーク、トーク」!!
 ・質疑応答は「相手を動かす」最大のチャンスである
 ・池上彰式「ファクト・オピニオン」逆転話法
 ・有利な「文脈」をつくりだす引用トーク術
 ・橋下徹流!!「頼りにされる」語尾活用法
 ・場の一体感を高める「自問自答法」
 ・聞き手をホッとさせる孫正義の「緩急トーク」
 ・臨場感を倍増させる「進行形プレゼン」の技法


Epilogue 「伝えるものへの愛」はありますか?
 ・まだ伝えていない「とっておきの上達法」
 ・プレゼン対象を「好きになる」たった1つの方法

著者・出版

著者: 西脇資哲(にしわき・もとあき)


日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員/エバンジェリスト
1969年生まれ。岐阜の小さなシステム会社でプログラマーとしてモニター画面に向き合う日々を過ごしつつ、ひそかにプレゼン技術の研究を重ねる。
96年、日本オラクルに入社し、プロダクトマーケティング業務を経験。その後、IT業界屈指のプレゼンターとして頭角を現す。
09年、マイクロソフトに入社後、マイクロソフト製品すべてを扱う唯一の日本人エバンジェリストとして活躍。2014年より業務執行役員。
また、独自のプレゼンメソッドが口コミで広がり、全国から講演・セミナー依頼が殺到。「年間250回講演、累計5万人以上・200社以上が受講」という圧倒的実績を持つNo.1プレゼン講師としても知られている。三井住友海上、日立製作所、NHK放送研修センター、JT、富士通、サイボウズ、ルネサンス、クレハ、日本ユニシス、国会議員、環境省、立命館小、筑波大附属駒場中・高など、大手上場企業から初等教育の現場にいたるまで、幅広い層の「伝える力」向上に貢献。また、2010年より継続開催中の「エバンジェリスト養成講座」では、定員が即座に埋まるほどの人気を誇る。 著書に『エバンジェリスト養成講座』(翔泳社)、『エバンジェリストの仕事術』(日本実業出版社)がある。

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