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VOCABULARIST (Direction) ATSU

Book Summary
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レビュー

YouTubeを中心に英語学習コンテンツを発信されているATUSさんの、英単語学習法を体系的に学ぶ事が出来る本になっています。ATSUさんの考える英語学習の全体像と、英単語に絞った学習の進め方について具体的に知ることができます。

私が本書をお薦めするのは、英語というものを俯瞰的にとらえて、英語の全体像を丁寧に説明した上で、なぜ英単語を学習する必要があるのかについてATSUさんの考えが解説されており分かり易かったのです。英単語の学習意義つまり目的が明確になれば、あとは目標を設定し、その目標を達成するための戦略・戦術に落とし込んでいくという流れで解説されています。ATSUさんが強く主張したといポイントは必ず絵も使い補足説明がされているので、1回読んだだけでも頭にスッとはいってきた印象です。

一番印象に残ったのが 英語は主に以下の3つの要素(英単語、文法、発音)で構成されており、私たちの勉強する英語というのは「単語」が「文法」というルールに従って並んで存在しており、それを聞いたり話したりするときにはそれが「発音」のルールに従って音声化されています。それゆえ、英語学習において取り組まなければならないのは、結局この3つであるという点はなるほどねと思いました。その中でも英単語に要する学習時間が圧倒的に多くなるためその学習をより効率的にしていくことが英語習得の近道ということです。

■この本をお勧めしたい人
・どれだけ時間をかけても、英単語を全然覚えられない人
⇒毎日何時間も英単語帳を眺めているのに、いざ蓋を開けてみると全然記憶に残っていない。効果が見えないのに勉強を続けるのは苦痛。ツマラナイ英単語学習をなんとかしたい。

・覚えた英単語が、実際の会話シーンで出てこない人
⇒TOEICや英検の語彙問題には答えられるけど、実際に英語を使うシーンに出くわすと口ごもってしまう。使いたい英単語は思いつくのに、カタカナ発音で覚えてしまったせいでまったく伝わらない。

本書のPoint( 英単語学習の目的・目標・戦略・戦術 )
英語学習の目的(Goal)
目的(Goal)とは行動によって最終的に成し遂げたいことと定義します。では英語学習の目的とは何でしょうか?その答えは「幅広い場面で実際に英語を使う力を高めること」です。TOEIC満点や英検1級の資格を持っているかたも、持っていない方も資格をとることが最終的に成し遂げたいことではないはずです。あくまで資格は通過点であり、その先にあるのは幅広い場面で実際に英語を使うことになるはずです。
英語学習 3つの目標(Objectives)
英語では、目標はobjectivesで目的はgoalです。objectivesは目的を達成するために定める目印や基準を意味します。例えば、goalが「引き締まった体」の場合、objectivesは「体重60kg」「体脂肪15%」となります。英語学習の目的(Goal)幅広い場面で実際に英語を使うこととしたら次は目標を明確にします。英語を使うために必要となる以下の3つが目標となります。
 ①瞬間的な意味の認識と正しい発音
 ②文章を作成する能力
 ③普段の会話での能動的な使用
英単語学習の戦略(Strategies)
戦略とは目標を達成するための方向付けを意味します。 例えば、goalが「引き締まった体」の場合、objectivesは「体重60kg」「体脂肪15%」 に対するStrategiesとして「筋トレ」が考えられます。
では英語学習の目標を達成するための英単語学習の戦術は何になるでしょうか?
 ①英単語帳の回転率を高く維持する
 ②書かずに音とイメージで覚える
 ③文章を作成する機会を作る


以上から具体的な戦略としては、「 2か月で1語最大30秒かけて単語帳を5周する 」などです
■英単語学習の戦術(tactics)
続いて戦術です。 戦略の中の30秒間の中で具体的に何をすべきかこそ戦術です。
この30秒間の中でやるべきことはたった3つしかありません
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 ①単語を見て意味を確認する
 ②意味をイメージしながら発音する
 ③その単語を使った文を作る
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この3つの戦術ステップを、より具体的に見ていきましょう。

①単語を見て意味を確認する
まずは単語の意味を確認します。このとき注意してほしいのは、「日本語訳をそのまま覚えるのだけではなく、その意味の先にあるイメージや感覚を意識すること」
です。例えば、「organize=組織する」というふうに覚えるのではなく、その「組織する」という日本語の感覚、つまり「何かが規則的に集まって意味のあるかたまりになるようなイメージ」をちゃんと意識しながら覚える必要があるのです。このように強く単語の感覚をイメージすることが重要な理由は、このような意識を普段から持っていないと、「英語を日本語に変換してから理解する」という悪い癖がつくからです。英語と日本語は、全くことなる言語ですので、最終的には英語は”英語脳”という日本語をあやつる時に使用する脳と違う脳を作り上げることが重要です。それをこの英語の基礎である単語を覚えるときから意識していないと、あとで翻訳癖が抜けないというしわ寄せが来てしまうため、今のうちからこれをしっかり行っておくことが将来の英語学習の効率化にもつながります。
 
②意味をイメージしながら発音する
先ほどお話しした「その英単語が持つイメージや感覚」を頭に思い浮かべながら、単語を発音記号に従って数回発音しましょう。実際に発音して音で覚えることで、聞いた時にわかり、正しい発音で言えるようになります。単語をゴロ合わせでガチガチにカタカナ英語で覚えたり、発音しないで文字だけを丸暗記したりすると、意味を知っていても聞きとれない、そして言ったときに通じない(発音が違う)ということが起きてしまいます。「発音記号なんて覚えたことない!」という方は以下の記事に発音記号を全てまとめているので、単語を覚え始める前にまずはこちらの記事で発音記号を覚えてしまいましょう。

③その単語を使った文を作る
最後に、単語集に載っている例文も参考にして、中学英語レベルのものでいいので、簡単な文を作って言ってみましょう。この部分は3つのステップの中で一番時間がかかる部分で、完璧を求めすぎるといくら時間があっても足りなくなります。
今回は1語30秒という時間制限を設けて単語を覚えていくため、「本当にこんなレベルの文でいいのかな?」と感じるくらいの、簡単な文でOKです。
本書の目次

【目次】
Chapter 1 英単語学習の意義
Chapter 2 英語学習の流れ
Chapter 3 英単語学習の全体像
Chapter 4 英単語学習の目標
Chapter 5 英単語学習の戦略
Chapter 6 英単語学習の 3 つの基本戦術
Chapter 7 英単語学習の応用戦術~構造分析
Chapter 8 英単語学習の応用戦術~画像(イメージ)暗記
Chapter 9 英単語学習の応用戦術~クロスレファレンス暗記
Chapter 10 英単語学習の応用戦術~語源暗記
Appendix 巻末付録: 接頭語・接尾語マップ

著者・出版

ATSU


日本生まれ日本育ち。本名は西方 篤敬(ニシカタ アツヒロ)

1990年生まれの北海道出身。高校2年生が終わる頃、受験勉強をきっかけに英語が好きになり英語の勉強を始めました。大学生活中も楽しい学生ライフの対極で孤独に努力し続けた結果、いつのまにか海外大学院留学を経て海外でキャリアをスタートさせることになりました。

その後オーストラリア国立大学会計学修士を成績優秀(Distinction)で修了した後、オーストラリア、メルボルンにて世界4大会計事務所の1つ、Deloitte トーマツに入社。アメリカ、イギリス、日系など幅広いグローバル監査案件に従事し、多様な会計実務経験を蓄積。同社クライアントマネージャーを経て、登録者数30万人を超えるYouTubeチャンネルを軸とした英語学習メディア Atsueigo をプラットフォームとし、合同会社 Westway を設立して独立。

IELTS Academic 8.5、実用英語技能検定1級 、TOEIC 990点満点 、TOEFL iBT 114点、元米国公認会計士・豪州勅許会計士、オーストラリア永住権保持。

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