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ロジカル・シンキング (PHPビジネス新書)岡重文

Book Summary
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レビュー

本書のコンセプトは「成果に繋がる優しいロジカルシンキング」ということだ。

そもそもロジカルシンキングを使う目的は何か? ロジカルシンキングの目的は、互いの不完全さを認め合いながら議論し、よりより答えを導き出すことにある。断じて相手を論破することではない。より良い答えを導くためには正しい意見よりも正しく議論することにこだわるのだと述べられている。

ではロジカルに考えるとはどういうことか?ロジカルとは、つまるところ納得感のある根拠を主張にそえられるかである。納得感とは相手次第なので100%は存在しない。納得感を得るにはロジカルだけでは不十分で感情も大切になる。それでも「納得感のあるよりよい答え」に辿り着くためには主張に根拠を添えるられていることが必要条件なのである。これに関してはロジカルでない場合を考えてみると分かりやすい。ロジカルでないということは主張に対して納得感のある根拠がないということなので、多くの人が主張を理解できない状態となり、さらには根拠が弱いという指摘も飛んできて、その場にいる全員が納得感のある合意という結果には繋がらないでしょう。そのために指摘がありそうな内容を事前に押さえ補強すべきなのです。その補強こそが主張を支える根拠になるのです。

このロジカルシンキングの考え方を日々の実務で使いこなすために、もう一段階具体の方にブレイクダウンしたのが本書です。論理的思考がビジネスの中で最も求められるのは、何らかの意思決定を下すときです。

・このデータから何が言えるのか?
・どんな仮説が立てられるのか?
・複数案のうちどれに決めればいいのか?

経営判断から現場の日々の作業まで、正しい意思決定を支えるのがロジカルシンキングです。そのロジカルシンキングのプロセスは大きく分けることができます。以下の4つのプロセスでどう活用するとまとめられておりますので、ぜひ実務に活用ください。

  • 分析:「良い分析」をするにはどうすればよいか?
  • 評価:分析をどう評価するのか?
  • 仮説:どうやって仮説を立てるか?
  • 選択:どうやって選択するか?

情報を分析して評価を決め、複数の仮説を作り、選択する 。正しいやり方で、これを実務の中で繰り返すことで必ずあなたのロジカルシンキング力は高まります。

本書のPoint( ロジカルシンキングの4つのプロセス)
分析
分析とは分解することである。定量分析では、足し算や掛け算などで分解します。定性分析では、要素やプロセスで分解します。表面的な数字に惑わされず、進入角度深くすることが重要です。
評価
評価の肝は最後は主観になることは理解しつつも評価の軸を明確にして透明性を確保することを意識しよう。時間や範囲、絶対値や相対値など評価軸を明確にする。
仮設
仮設には現在・未来・過去の3つの方向がある。過去は、相関・時期・定性的に説明できるか、未来は、予測に対する根拠を明確にすることが重要。仮設は正しさよりもサイクルを回すことを優先する
選択
納得感のある選択のために、3つの妥当性
・判断基準
・選択肢
・評価
が必要。突き詰めた上での選択ことがリーダーの仕事。
本書の目次

【目次】
第1章 「ロジカルに考える」って何だろう?
第2章 「分析」のセンスを磨く
第3章 評価――思考プロセスを透明化せよ
第4章 「仮説」の精度を上げる
第5章 「選択」という大問題――結局、どう決めればいいのか
第6章 「ロジカル」からスタートしよう

著者・出版

岡 重文Shigefumi Oka


京都大学大学院工学研究科応用システム科学専攻修士課程修了
学位:修士(工学)

NTTデータに入社し、SEとして複数のシステム開発に従事した後、ネットワーク機器の製品開発に携わる。その後、プライスウォーターハウスクーパース(株)に入社。プロジェクトマネジャーとして複数のプロジェクトを担当。2000年、グロービスに入社。企業研修担当、eLearning事業の立ち上げに関与したのち、経営管理本部にて、情報システム部門ならびに人事・総務を統括。現在は、ファカルティ本部にて、コンテンツの開発や講師の育成業務に関わる。思考領域の責任者。

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