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シン・ニホン(NewsPicks)安宅和人

Book Summary
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レビュー

本書は、日本の現状とこれからのAI時代にとるべき戦略をファクトベースでわかりやすく解説しています。この本を読めば、日本の今の現状を知り、これからどう世界と戦っていけばいいかわかります。また、個人がきたるAI時代をどう生き抜いていけばいいかも理解することができます。

現在の世の中の変化や日本の現状、大人はどうサバイバルをしていけばいいのかなどが紹介されています。日本国民が働き方、生き方について迷っている時だからこそ選ばれるベストセラーとなったのだと思います。AIとデータ時代となった世界と日本の現状、これからの人材育成などを知りたい人に最適です。特に中間管理職が読むことで人材育成に役立つヒントが多数掲載されています。

AI×データの発展により、時代は多面的に「確変モード」に突入、目まぐるしく動く社会の中、本書は以下の問いをひとつなぎにして答えられています。

<未来に向けた問い>
・現在の世の中の変化をどう見たらいいのか?
・日本の現状をどう考えるべきか?
・企業はどうしたらいいのか?
・すでに大人の人はこれからどうサバイバルしていけばいいのか?
・この変化の時代、子どもにはどんな経験を与え、育てればいいのか?
・若者は、このAIネイティブ時代をどう捉え、生きのびていけばいいのか?
・国としてのAI戦略、知財戦略はどうあるべきか?
・AI時代の人材育成は何が課題で、どう考えたらいいのか?
・日本の大学など高等教育機関、研究機関の現状をどう考えたらいいのか


ビジネス・教育・政策…全領域にファクトベースで斬り込み、意志なき悲観論でも、現実を直視しない楽観論でもない、建設的(Constructive)な、「残すに値する未来のつくり方」がここにある。

本書のPoint
■データ×AIが人類を再び解き放つ
AIは非常に短期間で人間を超えてきました。歴史的な革新期にいると考えられており、指数関数的スピードで、できないことができるようになっています。AIの急速な成長に対して日本では悲観的な論が主流となっていますが、著者はそれは間違いだと指摘しています。
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“単なる悲観論、それは逃げだ。自分たちが未来も生き続けること、自分たちが次の世代に未来を残す存在であることを無視している。”
引用元:シン・ニホン
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海外ではAI活用が主流となっていることが、日本国内ではまだマンパワーに頼っていることなども指摘しています。今後AIのサポートなしで仕事は成り立たないなどという指摘もあります。AIとデータが得意なことはAIとデータに任せ、人間にしかできないことをやり抜くことが重要だと指摘しているのが特徴です。

■求められる人材とスキル
著者は現在のビジネスシーンで求められる人材=異人だといいます。異人とは、全く型には収まらないが、ニッチな何かに突き抜けていて、創造力に優れている人のこと。好きな分野で特出しており、スキルが高い人ともいえます。複数の分野で突き抜けている人、複数の分野でかけ合わせができる人なども求められる可能性が高いです。
AIやデータが膨大な時代だからこそ、使いこなすリテラシーがあり、データをもとに自分の頭で問題を考えて人を動かす人材こそ、マンパワーとして必要だと指摘しています。
AI×データの時代ではビジネス力・サイエンス力・データエンジニアリング力が必要。課題を設定し、解決することや統計的な数学要素、それらを実行するためのプログラミングは問題解決力と言語能力とともに現代の教養となる可能性が高いと指摘しています。
■「未来を創る人」をどう育てるか
今後のAI×データ時代にマッチする人材を育成するポイントは、3層での人づくり。
リーダー層・専門家層・リテラシー層の3つで、リーダー層はあらゆる活動で必要となる層、専門家層は世の中を変えていくために最も中核となる層、リテラシー層は初等・中等・高等教育を受ける層と定義されています。中でもリテラシー層は理系・文系と別れるのではなく、ある程度どちらもできる人を育成することが重要と指摘されています。国語と数学の力を再構築し、より多くの人が問題解決能力やロジカルシンギングできるようにすることも重要です。

未来を仕掛ける人を育成するポイントを提案しており、専門家層・リーダー層育成に関しても積極的な育成が必要です。育成には今後15年ほどの時間が必要なため、技術者とミドルマネジメント層のスキル再生もあわせて提案しています。技術者とミドルマネジメント層の人材をスキル再生することで、未来を創る人を育成できる可能性が高いというのがこの本の意見です。
本書の目次

1章 データ×AIが人類を再び解き放つ――時代の全体観と変化の本質

2章 「第二の黒船」にどう挑むか――日本の現状と勝ち筋

3章 求められる人材とスキル

4章 「未来を創る人」をどう育てるか

5章 未来に賭けられる国に――リソース配分を変える

6章 残すに値する未来 読者コメント

著者・出版

著者: 安宅和人( あたか かずと )



慶應義塾大学 環境情報学部教授
ヤフー株式会社 CSO(チーフストラテジーオフィサー)

1968年、富山県生まれ。東京大学大学院生物化学専攻にて修士課程修了後、マッキンゼー入社。4年半の勤務後、イェール大学脳神経科学プログラムに入学。2001年春、学位取得(Ph.D.)。ポスドクを経て2001年末マッキンゼー復帰に伴い帰国。マーケティング研究グループのアジア太平洋地域中心メンバーの一人として幅広い商品・事業開発、ブランド再生に関わる。
2008年よりヤフー。
2012年7月よりCSO(現兼務)。全社横断的な戦略課題の解決、事業開発に加え、途中データ及び研究開発部門も統括。
2016年春より慶應義塾大学SFCにてデータドリブン時代の基礎教養について教える。
2018年9月より現職。

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