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インプット大全 (サンクチュアリ出版)樺沢紫苑

Book Summary
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レビュー

私が本書を読み終わって印象に残ったキーフレーズといえば「AZ(アプトプット前提)」である。本書はこの言葉に集約されていると私は思っています。インプットを行う際にアウトプットを前提として考えることで、インプットの質が何倍・何十倍にも高まるのです。 私たちはつい、インプットとアウトプットを分けて考えがちですが、だが著者によると、アウトプットありきでインプットを行うことで、加速度的に自己成長することができるということなのです。

普段の生活の中で読書・勉強、記憶、情報収集など限られた時間で、良質な学びを手に入れたいというのは誰でも思うことではないでしょうか。情報過多の現在、日本一アウトプットする精神科医である樺沢さんが短い時間で何をどのように学ぶのか
多くの読者から寄せられたこの問いに対し脳科学に裏付けられたインプット術を紹介してくれているのが本書です。

【こんな人にオススメです】
・時間がない中で効率の良い学び方を知りたい人
・学んだことが記憶に定着せずに悩む人
・学びを行動に移せずにいる人
・アウトプットの質を上げたい人

本書のPoint
■  インプットは量より質(なんとなく情報を見るのはNG) 
ニュース・ネット・SNS・youtubeなどたくさんの情報で溢れかえっています。つい
なんとなく読む
なんとなく見る
なんとなく聞く
ということに時間を費やしていませんか?

もし皆さんがなんとく情報をインプットしているとしたら、たくさんの情報に接していますが、そのほとんどは忘れてしまっているのです。樺沢先生曰く、日常の情報は3%しか記憶に残らないといいます。 仮に毎日20個の情報を見ているとすれば、1週間で140個もの情報とふれています。しかし、そのうち記憶に残っているのはたった4個です。
他の97%は1週間で忘れてしまうということになります。それではもったいないので、日ごろから情報を注意深くみることです。たったのそれだけで何十倍ものインプットをすることができます。インプットの質を高めることで、記憶にのこりやすくなるのです。インプットにおいて大事なのは、量よりも質なのです。 本を読む場合も、大した学びの得られない密度の薄い本ではなく、非常に気づきと学びの多い密度の濃い本を読むことが重要です。密度の薄い本を10冊読む人よりも、密度の濃い本を一冊読む人の方が成長が大きいです。そして密度の濃い本を2冊読む人よりも、3冊読む人の方が当然ながら学びは多いです。 インプットはまず質を確保し、その上で量をふやしていくようにしましょう。
情報を捨てる努力(情報を選別する)
ほとんどの人は情報の選別をしませんが、自分にとって本当に必要な情報を知識に狙いを定めることが重要です。そうすることで、重要な情報だけを記憶に残すことができます。そもそも必要のない情報は見ない、つまり情報を捨てる努力が必要なのです。
反対に、自分にとって大切な情報を選んでインプットするには、興味関心があることをすぐに答えられることが重要です。カクテルパーティー効果というものをご存知でしょうか?これは、パーティー会場のようなざわざわと騒がしい中でも、自分の名前や興味がある話題を自然に聞き取ることができる現象のことをいいます。このように興味関心のアンテナを立てて置くだけで、脳は膨大な情報の中から全自動で必要な情報をピックアップしてくれるようになるのです。
AZでインプット(アウトプット前提でインプットを行う)
Blogで公開したり、勉強会で発表したり人に教えるつもりでインプットすれば、学びの効果は何十倍にも跳ね上がります。これがアウトプット前提ということです。
ロンドン大学である研究が行われました。2つのグループにわけ、制限時間を設け、簡単な暗記をしてもらいます。片方のグループには「時間経過後にテストをします」と伝えました。もう一つのグループには、「時間経過後に暗記した内容を他の人に教えてもらいます」と伝えました。その結果、より暗記できたグループは「ほかの人に教えてもらいます」と伝えたグループでした。テストをすることもアウトプットですが、人に教えるというのは、集中力アップや脳がよい緊張状態になり、脳内物質のノルアドレナリンが分泌されることがわかったのです。このノルアドレナリンによって、集中力や記憶力思考力が高まります。そして人に教えるということを前提にインプットをすると、記憶に残りやすくなります。
目標設定と感情でさらなる効果アップ
インプットの前に必ず方向性とゴールを設定するのです。例えば、英語を学ぶことをみていきましょう。なんとなくグローバルな世の中だし、将来役に立つかもしれないから…。こういう風に学んでいても、学んでいてもインプット効率は上がりません。一番やってはいけない勉強方法です。具体的に TOEIC で450点を期限は2023年10月までというふうに具体的に設定するだけで圧倒的にインプットが効率的になるのです。

インプットの効果を高める例外として、アウトプットをしなくても記憶できる方法があります。それは感情が刺激されるようなインプットをしたときです。喜怒哀楽が伴う記憶法です。これが圧倒的に記憶に残ります。例えば、あなたも小学生の時に国語の授業で読んだ教科書の内容なんてほとんど覚えてないはずです。でも小学生の時ワクワクしながら読んだ漫画の内容は覚えていませんか?人は感情が動く時アドレナリンやドーパミンなど、複数の脳内物質が出て記憶を増強する作用があります。日常でのやり方としては、読みたいと思った本はすぐに読む!気持ちが強いうちに読めるので、そのぶん脳内物質が分泌され、インプット効率が上がります。
本書の目次

< CHAPTER1 インプットの基本法則【RULES】>
■インプットは「量」より「質」を重視
■インプットの精度を高めるには
■記憶にとどめて、初めてインプットが成立
■アウトプット前提のインプット術
■必要な情報だけを集める方法 他

< CHAPTER2 科学的に記憶に残る本の読み方【READ】>
月に3冊読む/深く読む/感想を前提に読む/本を選ぶ/効率よく読む
問題解決のために読む/小説を読む/電子書籍を読む 他

< CHAPTER3 学びの理解が深まる話の聞き方【LISTEN】>
効率的に聞く/耳学する/オーディオブックを聴く/パートナーの話を聞く
傾聴する/楽に聴く/英語を聞く/音楽を聴く/自然音を聞く 他

< CHAPTER4 すべてを自己成長に変えるものの見方【WATCH】>
観察する/観察力を磨く/見直す/メモを見直す/テレビを見る/映画を観る
ライブを観る/美術鑑賞する/自然の風景を見る/見ない 他

< CHAPTER5 最短で最大効率のインターネット活用術【INTERNET】>
情報を見極める/キュレーターをフォローする/情報を宅配便化する
高度に検索する/ストックする/シェアする/画像でメモする/制限する 他

< CHAPTER6 あらゆる能力を引き出す最強の学び方【LEARN】>
人と会う/コミュニティに参加する/自分を知る/歴史から学ぶ/資格をとる
語学を学ぶ/上手に遊ぶ/旅に出る/食べる/お酒を飲む 他

< CHAPTER7 インプット力を飛躍させる方法 応用編【ADVANCED】>
■精緻化して覚える
■インプット直後にアウトプットする
■脳内情報図書館を構築する 他

著者・出版

著者: 樺沢紫苑(かばさわ・しおん)


樺澤紫苑こと佐々木信幸は、1965年に北海道の札幌で生まれました。
1991年には札幌医科大学医学部を卒業し、その後札幌医大神経精神医学講座に入局しています。 大学病院や総合病院、単科精神病院など北海道内の8つの病院に勤務し、2004年にアメリカのシカゴにあるイリノイ大学へと留学。 3年間留学し知識を深め、帰国後は東京の世田谷区に樺沢心理学研究所を設立し現在に至ります。
樺澤紫苑は精神科医としてだけではなく作家としても活躍し多くの本を執筆されています。
著書に「読んだら忘れない読書術」「いい緊張は能力を2倍にする」などがあります。

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