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MBAマーケティング(STEP4)ポジショニング

Book Summary
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理解度チェック
(STEP4)ポジショニング

【概要:Overview】
セグメンテーション・ターゲティングにより、ターゲット顧客が明確になった後は、ターゲット顧客に自社製品やサービスをどう認知されるかが重要となります。顧客ニーズを満たす製品であっても、その価値がターゲット顧客にうまく伝わらなければ意味がないのです。ポジショニングは、自社製品やサービスをどうターゲット顧客に認知してもらうかを決定することである。

【方法:Method】
1.軸となりえる属性をリストアップ
:自社製品の特長を洗い出す。製品に付随可能なイメージであれば何でもよい。例えばコーヒーならば「コクがある」「香りがよい」「目が覚める」があるが、これだけだと差別化が難しく、訴求力が弱い。ジョージアは「やすらぎ」という他の缶コーヒーにないポジショニングをとることで癒しの心を求める心をうまくとらえた。

2.戦略的な属性に絞り込む:属性をリストアップした項目から軸となる2つの属性に絞り込む。具体的にどのような観点で軸を絞り込めばよいかは「顧客に共感してもらうこと」を前提に選定することである。

3.自社製品を他社製品よりも魅力的と認識してもらう
他社より魅力的に感じてもらうためには、新ポジショニングを創造したり、競合のポジショニングを弱めることが重要である。また現在のポジショニングを強化や競合がとりにくいポジショニングをとる。新ポジショニングといってもウォークマンのようなイノベーションが必須なわけではなく、エビス黒ビールなど既存の黒ビールとエビスビールにプレミアムという新しい価値を組み合わせたことで大ヒットにつながったのである。

4.ポジショニングの検証と見直し
ポジショニングが有効であるか定期的に検証・見直しすることが肝要である。ターゲット顧客のニーズを満たしているか、競合製品と差別化できているかなど定期的に検証する。時間の経過とともにポジショニングのパーセプションマップも変化するものである。

【事例:Case】
日産マーチは10年ごとにモデルチェンジを行う際に、どのようなターゲット層にどのような車として訴求されてきたのか見てみよう。初代マーチは「小さなボディーに大きな可能性を秘めた車」であった。ターゲット層としては若い女性、ファミリー層、さらに近藤真彦さんをCMに起用しスポーティさもアピールしたことで男性顧客の開拓にも成功したのである。最新モデルでは、初代を発売した時代から大きく世の中が変わっていたこともあり、「親しみやすさ」という初代マーチで確立したイメージを際立たせながら時代に合致した世界で通用するデザインを取り入れ、20代女性とファミリー層をターゲット向けに販売され人気を獲得している。

顧客ニーズを汲み上げ、開発・生産・販売など様々な活動を連動させながら、顧客によって価値のある製品・情報を提供していく。その青写真を描くためにマーケティング戦略を策定する。この一連のプロセスを詳細に説明していきます。
※詳細プロセスに興味ある方はリンク先を参照ください

●章ごとの要点

①環境分析

市場に影響を与える内外のさまざまな要因により構成されるマーケティング環境の分析を通して市場の機会と脅威を整理し自社の強み弱みを再確認する。

②マーケティング課題の特定

マーケティング課題を洗い出し、今回取り組む課題とマーケティング目標を明確する。

③セグメンテーション・
ターゲティング

市場細分化・標的市場選定プロセス。顧客市場をグループ分けして、どの顧客セグメントに焦点をあてるかを決定する。

④ポジショニング

競合製品と差別化し、顧客にアピールできるような自社製品を提供価値を決定する。

⑤製品戦略

新製品開発だけでなく、製品特性やライフサイクルを踏まえて製品ラインの拡張や集約など、市場投入後の製品の育成やマネジメントについて決定する。

⑥価格戦略

製品やサービスの価値を表示するという重要な役割をもち、企業は需要動向と利益のバランスをとりながら製造コスト、カスタマー・バリュー、競争環境に留意して価格を決定する。

⑦流通戦略

製品を効率的に市場に届けるために、製品の特性、ユーザ特性、競合環境などを総合的に考慮にいれて、最適な流通チャネルを選択し、構築する。

⑧コミュニケーション戦略

ターゲットとなる顧客に適切な情報を適切なタイミングで伝える方法を決定する。

⑨実行計画策定

マーケティングミックスを実現するために行動計画を策定し、予測損益計算書を作ったうえで、その戦略シナリオの戦略策定プロセスの全体像を把握する。

本書の目次

第1部 基礎編
第1章 マーケティングの意義とプロセス
第2章 環境分析と市場機会の発見
第3章 セグメンテーションとターゲティング
第4章 ポジショニング
第5章 製品戦略
第6章 価格戦略
第7章 流通戦略
第8章 コミュニケーション戦略

第2部 応用編
第9章 ブランド戦略
第10章 マーケティングリサーチ
第11章 顧客経験価値とカスタマージャーニー
第12章 BtoBマーケティング

著者・出版

著者: グロービス大学院


2006年4月に株式会社グロービスが東京都千代田区のキャリア教育推進特区を利用した「株式会社立大学」(学校法人ではなく営利企業としての株式会社が設置した大学)として創立した。その後、2008年には設置者を学校法人グロービス経営大学院に変更し通常の学校法人立の私立大学となった。経営研究科のみが設置されている。
「社会に創造と変革をもたらすビジネスリーダーの育成」をその教育方針に据え、原則として企業や官公庁、団体等における3年以上の社会人経験を有する者を対象にしている。現在は東京都千代田区と大阪市淀川区、愛知県名古屋市中村区、宮城県仙台市青葉区、福岡県福岡市博多区にキャンパスがある。2009年4月には英語によるMBAプログラムを開講した。

<経緯>
1992年 株式会社グロービス設立。
2001年9月 株式会社グロービス社長が、ビジネスマンのキャリアアップ教育構想として、GDBA(Graduate Diploma in Business Administration、「グロービス・オリジナルMBAプログラム」)を発表
2002年4月、アントレプレナリアル・リーダーシップがGDBA初の科目として先行開講
2003年4月、GDBAの本格的開講。グロービス・マネジメント・スクール名古屋校開校
2004年4月、グロービス・マネジメント・スクール大阪校開校。
2006年4月、株式会社グロービスがグロービス経営大学院大学を開学(東京校・大阪校)。
2008年4月、グロービス経営大学院大学の設置者を、株式会社グロービスから学校法人グロービス経営大学院に変更。

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